2010.09.11 Saturday
「ソーシャル×コマース」で20兆円産業へ!
ついにmixiがトラフィックを外部に開放。mixiはソーシャルグラフプロバイダーになる(techcrunchより)
サプライズの多々あった発表会で熱気に包まれていたが、私としては4月の米国でのf8以来、日本でも米国以上のソーシャルコマースを実現するための切り札として、mixiに待望していたことがついにオープンになったところが期待どおりだった。
ソーシャル×コマースというパネルにパネラーとして参加させて頂いた際に使用したスライドとお話した内容の概要を一部補足しながらエントリーしたい。
GMOペイメントゲートウェイはオンライン決済サービスを提供する、
「Payment Service Provider」である。
圧倒的にECサイトが多いがそれ以外にも、様々な業種、水道料金からイラスト投稿サイトの投げ銭的課金まで、25,000サイトに年間8000億円決済処理いただいている決済プラットフォームである。
Eコマース産業における当社の立ち位置だが、「決済ボタン」を押してから決済完了するまでの約5秒、ここが守備範囲なので、購買意思決定の「ラスト1マイル」、ということになる。
実はこの部分に制約が多かったのは事実である。
たとえば数百円の少額課金はクレジットカード導入が難しいだとか、前払い型のグルーポンモデルにはクレジットカード導入が困難だとか、この5秒の空間の制約がそのままEコマースのビジネスモデル制約になってしまう。
これでは思ったようなビジネスモデルの構築が難しくなり、マネタイズ・経営戦略にも影響する。
だから当社はいかにこのラスト1マイルを自由にするか、そのイノベーションによって、皆様の多様なビジネスモデル実現をお手伝いしようとしてきた。
当社の創業はEC元年ともいうべき1995年である。一貫して、決済という視点でこの産業の興隆にかかわってきたが、ECの15年の歴史で特筆すべき重要なシフトは3つしかないと思っている。
まず最初はネット化自体が価値をもっていた。いながらにしてこんなものも買えるのか、だとか、無在庫でなんでも揃っているとかである。
第2のシフト、とにかく早く届く、安く買う、そしてポイントインセンティブが全盛である。過去3年間の不況の中で産業全体ではほとんど影響をうけないどころか、むしろ躍進し、百貨店市場を追い抜いたのもそれが強いドライバーになっていることは否定しがたい。価格比較サイトが強い影響力を持ち時価総額も1000億円規模になったのもこの時期である。
しかしそれだけでいいのか。
ECの価値はほんとに、早くて得する、これだけなのだろうか。
安いがお店は儲からない、安売りについていけないサイトの廃業も目立つ。安売りだけなら世界でAmazonしかいらないではないか。
現在6兆円のわが国のEC市場がさらに10兆、20兆円規模に発展するためには、これから第3のシフトに入るべきで、そのドライバーこそがソーシャル要素を取り入れたソーシャルコマースではないのだろうか。
電子商取引からソーシャル商取引へ。ECからSC。
昨日発表されたmixiのグラフを使ったプラグインやタグを使えば、今までにない「購買者と商品の出会い」「コンテキストにもとづいた購買体験」がデザイン出来るはずである。
すでの大手事業者との提携も発表されたが、今後に注目したい。
GMOインターネットグループにおいても、ショッピングカートや各種メディアとの連携が急速に進みつつある。
グルーポン型のビジネスモデル、小額課金+継続課金、スマートフォン上でのEC、それぞれ決済プロセスからみると様々な制約があるのだが、それをどんどん改善していきたい。
スマートフォン上のWebを有料化したりアプリを継続課金するためのソリューションは好例である。
このケースは大手カード会社、電子マネー会社、MTIとの提携で実現した。
決済プラットフォームなのでオープンイノベーションが肝要である。
イノベーションパートナーは常に募集中なのでお声がけ頂けるとありがたい。