加速するEC2.0

チープ革命による分散化のトレンドは、EC分野でも加速してきている。

ブログ・ソフトMovable TypeベースのECサイト構築ソフト,シックス・アパートが出荷

シックス・アパートは,ブログ構築ソフトのMovable TypeをベースとするEC(電子商取引)店舗サイトを運営するためのパッケージ・ソフト「Movable Type EC Pack」を,2006年10月17日に出荷した。ブログ・ソフトをベースにしているためRSS配信やトラックバック機能を標準で備え,店長ブログも簡単に開設できるという。クレジット・カード決済にも対応している。
 クレジット・カード決済は,QUICK CART Proからクレジットカード決済のGMOペイメントゲートウェイが提供するクレジット・カード決済ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)サービス「CCS-Ware for Internet」を利用する。クレジット・カード決済機能を利用する場合は,別途,GMOペイメントゲートウェイに対して同サービスの利用料金がかかる。


シックスアパートのプレスリリースはこちら

この分散化のトレンドにのっとり「決済プラットフォーム戦略」を展開するのがGMOペイメントゲートウェイである。
web2.0時代において最も収益化可能な上場ベンチャーのうちの一社であると言える同社だが、IR資料にその戦略の概要がまとまっているのでご紹介する。

web2.0時代の決済プラットフォーム戦略 23〜27ページ(PDFです)

EC2.0 | 00:28 | comments(1) | trackbacks(1)

        

YouTubeの件

私は99年頃、後にバブル絶頂期と言われる事になる時期シリコンバレーに駐在し、創業からあっと言う間に世界を変える程の規模にまで成長するベンチャー企業とその支援団としてのVCの活動の数々を目の当たりにし、最初は熱狂的な空気に呑まれていたものの、シリコンバレーが世界の中心であり続けていいのか?という疑問に抗しがたくなり、日本に帰ってきて創業したのだが、
その疑問のひとつはクラブ・ディール、と言われるごく一握りの超エリート集団が超優良案件と成功を独占していく独特の閉鎖世界に向けられていたのは否定しえない。

Sand Hill(超一流VCが軒を連ねる地域というか道路の名前)クラブの頂点に君臨する超一流VCであるKの創業パートナーを顧問とし、SのLPでもあり、シリーズAファイナンスで対等にコインベストしていた前職のVCはクラブ・ディールのインサイダーではあったが、それでも、日本からではなくシリコンバレーから全てのイノベーションが発生する、という現実には変わりはなかった。
そして自分は日本人である。

動画と検索の結婚に世の中は大騒ぎだが、個人的にはややがっかりな感じがするが、なぜだろうか。
感覚的には「もし、NetscapeがIPOする前にMicrosoftに売却していたら」とてもさびしい感じがしたはずだが、この例えは変かもれないが、そんな感じがしてしまう。

投資家であるSequoia Capitalにとっては大成功だし、Googleにとっても計算づくの戦略的意思決定なはずだが、そんなものだろうか。
この新しいメディアが持つ破壊的なインパクトは、一VCの大儲けと、帝国化しつつあるかつての挑戦者による新たなる挑戦者の早期除去という資本戦略、という2つの文脈だけで片付けてしまうほど、小さなものだったのだろうか。

そして何よりも、やはりこの大きな事象が、またもやシリコンバレー発のクラブ・ディールであった事も、日本の出遅れ感を感じさせる。

まあそう言っていても始まらないので、今後はこれにより、新たなる対抗策を打ち出さざるを得ないはずの、Yahoo!、MySpace/NewsCorp、Microsoftの出方に注目する事にする。

- | 00:39 | comments(0) | trackbacks(0)

        

web2.0×資本市場

ミクシィ上場と期を一にし、ようやく株式市場(資本市場)でもweb2.0を投資テーマに据えた議論が活発になってきた。アナリストレポートも増えている。

「インターネットだから高成長」ではないことへの気付き、という視点で、パラダイムシフトを正しく受け容れ新しい高成長を実現できるかどうか、を問い、インターネット市場がこれまでとは別のファーズに入ったという認識を提示するレポートもあり、興味深い。
アナリストや機関投資家のファンドマネージャーと話をしていても、感心の大きさを感じる。

このシフトの特徴をまとめると、「web2.0サービスはマネタイズ可能なのか?」というテーマから、「どの会社がweb2.0的パラダイムを収益力に変換する力が高いのか?」に移りつつある、という点。
以前指摘した「web2.0的なサービスでどう儲ける(マネタイズする)か?」を問うのではなく、「どう儲けるのか?という視点にweb2.0的な価値創造プロセスをどうビルドインするか?」に視点が近づいてきた。

状況を正しく理解するため、今回はまずはネットベンチャーが多く上場している新興資本市場全般に関する状況に関してコメントし、次回、「どの会社がweb2.0的パラダイムを収益力に変換する力が高いのか?」に関する議論についてコメントさせていただく。

新興資本市場全般に関する状況

2006年の新興市場の相場環境の中で最も重要な事象は、楽天でもライブドアでもなく、ヤフージャパンの株価低迷、である。

想定されうる時価総額のマックス値、という意味で「天井感」という言葉がある。
例えば「A社の現在の経常利益は3億円だけど、3年後には20億円くらいは期待出来るので本来の時価総額の天井感は200億円くらいだから、現在の株価は割安だよね」というような会話である。
すべてのネット上場企業の「天井」の一番高い天井、それがヤフーなのだが、その「大天井」がどんどん低くなってきている。
ネット企業の株価全体を牽引する指標銘柄のようなものなので、ヤフー一社だけの事ではすまされないのだ。

消費者金融業界からの広告収入が減速している短期的要因があるにせよ、これまでの驚異的な伸びが今年になってやや鈍化してきてしまっているのが要因であり、来期予想ベースのPERでみると米国Yahoo!のPERに近似してきており、これにより「日本のネット市場は米国のネット市場よりも数年遅れているのだから、米国よりもPERが高くてよい」というこれまでの日本のネットベンチャーの高PERを正当化する暗黙の根拠付けが崩れてきてしまっているのである。

ちなみに、米国及び世界を代表する銘柄でありweb2.0的展開においても決して無視出来ない、ebayでPERが35倍、amazonで45倍程度、桁違いの覇者、googleでも60倍程度である。

粉飾やインサイダー等の不祥事による新興市場全体への信頼感の低迷も痛いが、もっとマクロレベルでみて影響が大きいのは、この「大天井」の低迷なのである。

そして次に重要だと思われるのは、業態、個社別の優勝劣敗の明確化、である。
インターネット関連であれば軒並み高成長で高PERだった昨年とは様変わりした。特にポータル、コマース関連の苦戦が鮮明になってきた。詳細は次回コメントしたい。

新興市場の株価と、未上場時のファイナンスのバランスとは

上場を目指すベンチャー企業は、上場後に直面する資本市場の環境について、もっと考慮する必要がある。

上場後に想定出来る時価総額が以前ほど高くはない、という事は、未上場時のファイナンス時の株価、時価総額もそれに見合ったものにしなければ、投資家の期待値と会社の成長力とのバランスが崩れるわけで、その結果一番困るのは、投資家ではなくその会社なのである。

この環境変化になかなか気がつかない(あるいは気にしない)のは、実はVCであったりするから要注意だ。
事業会社は自分自身が上場しており、上場後に何が起こるのかを知っている事もあり、資本市場の環境変化にはある程度敏感だが、
VCは、企業経営や上場を経験した担当者がほぼ皆無である事と、10年等の長い期間でファンド運用する面からも、これはいい面でもあるのだが、資本市場の影響を短期的かつ直接的には受けないため、あまり敏感ではないのかもしれない。
さらに、98年から2000年の未上場ファイナンス市場に何が起こり、その結果上場を目指すベンチャーがいかなる苦労を背負ったか、その時代を知っている者からすると常識である事が、その時代を経験していない人(ほんの数年前の事なのだが、、)にとってはほとんど知りもしない事、である事にも注意するべきであろう。(あくまでも一般論として。)

証券会社はと言えば、逆にかなり短期の視点である場合が多く、最低でも数年レベルの視点が必要な企業経営の観点とは別の次元で発想している事が多いので、それを理解した上で接する必要がある。

いずれにしても、昨今の未上場時の過大な時価総額によるファイナンスは会社にとって負の面が大きいので、注意が必要である。会社の成長力とのバランスを保った資本政策を心がけたい。

Web2.0 | 22:58 | comments(3) | trackbacks(1)

        

新メンバー参画!

ブログビジネスファンドは、通常のVCでもPEでもない。
資金提供以外の部分、マネタイズ支援、ビジネス成長のご支援を特徴とするわけだが、その実行力をさらに強化するため、10月2日より新しいメンバーが参画したのでご紹介したい。

蔀(しとみ)謙二        
ビジネス エンハンスメント パートナー

略歴:
2000年 マイクロソフト シニアコンサルタント/シニアテクノロジースペシャリスト
1997年 アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア) スペシャリスト(コンサルタント)
1996年 ネットワンシステムズ システムエンジニア(経営企画室情報システム)
1989年 富士ソフト システムエンジニア

2006年 10月より現。投資案件におけるビジネス拡大化へのコンサル的要素をも取り入れた統合的な支援の実施。


以下、直接本人によるエントリー。


私の経歴としては、長年ソフトウェアハウスにてFA(ファクトリーオートメーション)を中心とするよりH/Wに近いところにてプログラマを行っていました。
その延長線上で、「それがどのように使われるのだろう?」「使う人にとってどのように役立っているのだろう?」との想い駆られ、より上流から関与してみたいと考え、業務システムを中心とする様々なシステム作りにシステムエンジニアとして携わり、言わばマイコンの世界からクライアント/サーバーを主体とするシステム構築とも言うべき、初めての世界観の変化を体験しました。

さらに、当時、世間ではEDSなどを筆頭に「Mega Dealとして数千億規模のIT Outsourece?!」などがささやかれ、また、マイケル・ハマーが唱えるBPR(Business  Process Reengineer)が脚光をあびた時代でもあったため、C/S(クライアント/サーバー)のシステム作りから、「究極のBPR?」、「IT+αにて大きく世の中に貢献できるかも?」との、二度目の世界観への変化に気づき、その際、アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)が「戦略的アウトソースの日本展開」との話を聴きつけ、早速、門をたたく事になりました。
ここでは、どっぷりとコンサルファームでの熱い(知力・体力・気力)の洗礼を受け、「如何にして結果(成果)を残し、如何にして永続的な発展をクライアント(顧客)にもたらすか?」と言った視点が身についた?時期だとも思います。

さらに、「ITでの可能性を如何にビジネスに反映させていけるのか?」とのちょっとした疑問に想いをはせ・・・、真のビジネス的な課題解決には、実効性のある”ITソリューション”を修得する必要がある?との視点に立ち返り、世界観の変化と言うより、「姿勢を見つめなおす?」と言ったところで、のんびりと思いを巡らせていた際に、今度は、「マイクロソフトにてコンサルタント募集」の話があり、”渡りに船”だと考え、またまた、門を叩き、マイクロソフトワールドにJOINすることができました。

ここでは、ビルGやスティーブBの陰と陽的的ではあるが、異様なパワフルさと不思議な感覚にさらされ、コンサルティングファームとは一味違った感性に浸ったことは確かだとおもいます。

そして、仕事(ビジネス)としての、Webとの本格的な出会いは、マイクロソフトでのコンサルタントの仕事を通じ、ショッピングモール(B2C)の開発やサイプライヤ向けの入札サイト(B2B)などを行った事(Web1.0)にはじまり、転機としては、マーケティング&営業部署への異動をきっかけに、「”レバレッジ”を効かした(マイクロソフトではよく言われるフレーズ?)」ビジネスモデルを模索していた際に・・・、Google(当時コンペ)の時価総額が15兆円(マイクロソフトが30兆円)である事に、改めて”なぜ”なのとの疑問を持ち、広告収益モデルの”破壊力(コマーシャルソフトvsノンコマーシャルソフト?など)」に一人驚いて(驚愕)してしまいました。

ここで、三度目の世界観の変化を思い知り、「失われた十年?」の想いを勝手にもち、Web2.0の探求が始まり、「このWeb2.0の世界で、自分にはいったい何ができるのだろう」的な発想に至り、自分のこれまでの経験や知識を生かせる事はないかな?と思っていたところに、またまた、「GMO Venture Partners」を見つけてしまい、またもや速攻で門を叩かせて頂きました。

Web2.0後発の私ですが、当GMO Venture Partnersにおいては、関与先の方々の熱い想い(Passion)を共有させて頂き、指数関数的な永続的な発展のための基礎固めや成長戦略のお手伝い、さらには、Web2.0(+α)の更なるマーケットの拡張・拡大に向け力を発揮できればと考えており、『ビジネス エンハンスメント パートナー』とのタイトルを拝命しております。

よろしくお願いします。ありがとうございます。

GMO Venture Partners 株式会社
ビジネス エンハンスメント パートナー
蔀(しとみ)謙二

Web2.0 | 14:18 | comments(0) | trackbacks(0)

        
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