ブログは企業内コミュニケーションを変えるか

「ブログビジネスのマネタイズエンジン=エンタープライズ市場」論、
「ユーザー視点UIとしての企業内コミュニケーションシステム=イントラブログ」論、
ならびにスカイアークへの出資について

ユーザーインターフェース(UI)としての視点
かつて「電子メール」の企業内への浸透がそうであったように、ユーザーがシステム部門のサポートなく使いこなせて、初めて爆発的に浸透する。
言い方を変えれば、ユーザーが慣れきったUIにより構成されたコンピューティングシステムが普及する。
ブログやSNS等を、コミュニケーションそのものの「UIのあり方」だと見れば、相当数のユーザーがすでにそのUIに慣れており、さらに2年も経てば、キャズムを超えアーリーマジョリティまでが普通に使う状況は十分想像出来るだろう。

ユーザー視点
一時期騒がれたナレッジマネジメントの分野においても暗黙知の共有、というコンセプトが掲げられたが、いまだに残念ながらキャズムの左側にある事は否めない。
CRM、SFA、それぞれそれなりの存在感になってきてはいるが、やはりキャズムの左側、イノベーターとアーリーアダプター等、法人市場の初期的ユーザー層にとどまっているのが実感ではないだろうか。
なぜか?

やや極論ではあろうが、KM、CRM、SFA vs ブログの決定的な違いは、
それが管理者が担当部門の数字を取りまとめ、管理したりボードに報告するのに有用で嬉しい「管理者のためのツール」か、現場が顧客の声を拾い集め現場主導の改善や革新につなげていく「ユーザー視点」のツールなのか、という点ではないだろうか。
PCが職場に浸透、「一人一台」が実現してほぼ約10年。
企業内でもやはり「ユーザー参加」により、現場へのパワーシフトが起こるはずである。

イントラブログは昨年頃から初期的製品がリリースされ、セミナー等でエバンジャライズされ始めてきたが、ここへ来て、にわかに法人市場が動き出してきた。

流通の最前線では、ユニクロが店頭の現場で導入した。

(以下引用/日経BPオンラインより)
ユニクロが、本部・店舗間の情報共有のための社内ブログ「社内情報ウェブ」の活用を拡大している。今年3月に導入。店舗からの情報の投稿数は7月の1カ月間で約1000件に達した。既に国内全店(約700店)の店長・店員が利用しているが、今後英語化して、米国などの海外店舗でも利用できるようにする。
ユニクロは昨年10月から「第三世代SPA」と称して、従来型SPA(製造小売業)から進化した「情報発信製造小売業」を目指す戦略を掲げる。

例えば本部が「スカートの販売についてどう思うか」と書き込むと、店舗側が意見を書き込む。ユニクロはこれまでスカートを本格的に扱っていなかったが、店舗の前向きな意見を踏まえ、今年6月から全店で投入した。新商品投入後には、陳列の仕方や、POP(店頭販促)の使い方などが投稿されている。
折り込みチラシについても、従来は本部主導で制作していたが、社内ブログを使って事前に店舗の意見を聞くようになった。本部がチラシを提示すると、店舗から「子供服も入れたほうがいい」「今の季節はキャミソールを載せたほうが見栄えがいい」といった意見が1回につき50件以上集まる。「週次売上推移を見ると、以前よりチラシ広告の精度が上がっていることが分かる」



このような状況下、今回ブログビジネスファンドではスカイアークシステムに出資した。
プレスリリース
CNET掲載記事

sa

Movable Typeベースのビジネスブログの実績としては、NHK、ユニクロ等、米国でも注目を浴びるSixApartのメジャーアカウントを有し、トップベンダーの地位を実質18ヶ月で確立した事も注目に値するが、スカイアークの面白い点は2004年の創業以来、
既存のWEBサイトをRSS化する「SkyFEED」
WYSIWYGエディタを実装したMovable Type専用管理画面「MTCMS」
縦書き表記と投稿ができる『縦書き』ブログ構築サービス、等、
「おもしろさ」から発想しつつ、法人顧客の「問題解決を図る」サービスを開発し、大企業のマーケティングブログやイントラブログ向けに提供してきた点である。

多くのWeb2.0的といわれるサービスがあるが、「どうやって儲けるのか?」というマネタイズ方法について議論している方が多い。
資本市場関係者もミクシィの上場承認を契機とし「Web2.0で儲けられるベンチャーはどこか?」という視点を持ち始めている。
法人内情報システム需要はもっとも確実なマネタイズエンジンである。
とはいえ受託ビジネスではスケーラブルではない。
スカイアークには法人市場をベースにしながら収益スケーラブルになる明確な戦略があるが、それはまた別途エントリーしたい。



- | 01:32 | comments(0) | trackbacks(1)

        

ドロップシッピングが実行段階へ

本日、予定どおり電脳卸ドロップシッピングがスタートした。

GMOインターネットグループのショッピングカート戦略会社、メイクショップもDS系提携を新たにリリースした。
メイクショップがドンキコムと業務提携--「ドロップシッピングプラン」提供開始

新しい流通形態を創出すべく、期待したい。

Web2.0 | 22:22 | comments(0) | trackbacks(2)

        

あえてFind Job!に注目

仕事柄、セルサイド(証券会社や証券系シンクタンク)のアナリストの方々と話す機会が多いが、上場後は時価総額2000億円は堅いとの予測が飛び交う。
ミクシィの上場はエポックメーキングなIPOになりそうだが、mixi型SNSに関しては、
ソーシャルネット論(SNSとSNの違い)
第二次SNS戦争を制するのは誰か?
で言及したとおり。

ミクシィに関して意外に気づかれていないように思われるのは、FindJob!事業部の力である。まるめた数字で年度別の売上推移をまとめると、

3億円(2004/3期)→6億円(2005/3期)→12億円(2006/3期)

強烈な成長力である。

FindJob!はネット求人サービスの分野に、採用サービスではない「ツール」という発想を持ち込み、破壊的イノベーションを起こした注目に値するサービスであると思っている。
事業責任者である塚田氏も若いが非常に優秀な人物であり、GMOペイメントゲートウェイの前身となった会社の立上を学生時代に手伝ってもらった事もある。

創業者シェアを高く維持しつつmixiを成功させる事が出来たのも、好調な既存事業があってこそだともいえる。
この成長カーブだけでもすばらしいが、その上に前期からアドオンされてくるのが、mixi事業の6億円である。強烈なカーブになるわけだ。

3億円(2004/3期)→6億円(2005/3期)→18億円(2006/3期)→ ?(2007/3期)

無論容易な事ではないが、発想レベルから非連続的なブレークスルーを目指すためにも、起業家の皆さんは「起業」したからには、このようなカーブを是非目指して頂きたいと思う。

- | 00:45 | comments(0) | trackbacks(0)

        

Movable Type コンテスト 2006

GMOホスティング&セキュリティ株式会社がSixApartと下記を開催します。
メディア各社様にも注目いただいており、この秋〜冬は、イントラブログが熱い!状況になりそうです。

審査員の方々にも業界のキーパーソンや、当ファンドでも大変注目している会社もあります。是非ご応募下さい!

MT

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GMOホスティング&セキュリティ『ラピッドサイト』
第二回「Movable Type コンテスト 2006」開催
〜ビジネスシーンでのブログ、CMS利用を推進!〜
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第二回「Movable Typeコンテスト 2006(公式 サイトURL: http://mt.rsh.jp/)」を2006年8月8日より開催いたします。
「2005年 Movable Type 最優秀ホスティングパートナー賞」を受賞した『ラピッドサイト』主催のコンテストを通じ、「MovableType*」を活用したコミュニケーションの有効性、可能性を広く発信する場を提供し、ビジネスをはじめとする様々なシーンでのブログ,CMS利用促進を目指します。

このコンテストでは「Movable Type」を活用して構築されているWebサイトを募集し、総合性、操作性、デザイン性、独自性、コンテンツ内容といった観点から、ブログに精通している著名人を審査員に迎え多角的かつ公平に評価します。ご応募頂いた全てのサイトをコンテストサイト(URL:http://mt.rsh.jp/)にて公開し、その中からグランプリ、準グランプリをはじめとする各賞を決定します。

2005年に行われた第一回の開催では日本全国より315サイトの応募が寄せられました。昨年のコンテストサイト(URL:http://mt.rsh.jp/)には現在も多様なブログ活用方法の事例集としてたくさんのアクセスを頂いており、ご応募頂いた各サイトの認知度向上にも繋がっております。

GMO-HSの『ラピッドサイト』は情報発信の容易さ、表現力の高さといったブログ本来の利点はビジネスシーンでの利用にて一層発揮されると考えます。「Movable Typeコンテスト 2006」がコミュニケーション ツールとしてブログ、並びに「Movable Type」の魅力を提案する場となり、ビジネスシーンでのブログ、CMS利用普及に貢献できることを期待しております。

コンテスト開催にあたり、共催の企業様より賛同文を頂戴しております。
■米国シックス・アパート(Six Apart Ltd.)
Ben Trott, co-founder and CTO of Six Apart / Mena Trott, co-founder and
President of Six Apart.
We are pleased to learn that GMO Hosting and Security is holding a second
annualcontest to award the best Movable Type sites in Japan. We'd like to
thank GMO Hosting and Security, the winner of the 2005 Movable Type BEST
Hosting Partner prize, for making such a great contribution to the Movable
Type business by promoting and distributing hosting services in Japan.
We'd also like to thank Japanese Movable Type users for their enthusiasm and
kind support, which are so crucial to the continued improvement and growth
of Movable Type.
We look forward to seeing even greater ideas than we did last year. Many
thanks to GMO Hosting and Security and all of you who are participating in
this contest!

■シックス・アパート株式会社 代表取締役 関 信浩 様
このたび、第2回Movable Typeコンテストを企画、開催いただいたGMOホスティング&セキュリティ株式会社様に感謝致します。このコンテストをきっかけに、ブログを利用したウェブサイト構築の楽しさ、魅力、そしてブログの醍醐味をより多くのユーザーに味わっていただきたいと願っています。前回以上にユニークかつオリジナリティ溢れるウェブサイトの応募を楽しみにしています。


【Movable Typeコンテスト 2006概要】(URL: http://mt.rsh.jp/)
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[募集期間]
2006年8月8日(火)〜2006年12月15日(金)
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[応募資格]
Movable Typeで作成されたWebサイト(コンテンツ)を応募時から結果発表までの間、広く一般的に公開している法人/個人
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[応募方法]
公式サイトの専用応募フォームより登録(オンラインのみ)
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[各賞]
グランプリ(1サイト)、準グランプリ(1サイト)
ビジネスサイト部門優秀賞(1サイト)
ビジネスサイト部門準優秀賞(1サイト)
個人サイト部門優秀賞(1サイト)
個人サイト部門準優秀賞(1サイト)
審査員特別賞(未定)
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[審査結果発表]
2007年2月中旬に受賞者にメールにて通知、また公式サイトで発表
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[主催]
GMOホスティング&セキュリティ株式会社『ラピッドサイト』
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[共催]
シックス・アパート株式会社 URL:http://www.sixapart.jp/
------------------------------------------------------
[協賛](順不同)
有限会社アートバイブス http://www.artvibes.com/
株式会社エッセンティア http://www.essentia.co.jp/
株式会社グリーンツリー http://www.greentree.co.jp/
株式会社グロービズ http://globiz.jp/
株式会社スカイアークシステム http://www.skyarc.co.jp/
デジパ株式会社 http://digiper.com/
ネットスター株式会社 http://www.netstar-inc.com/
有限会社フィールド http://www.fieldweb.co.jp/
株式会社日立製作所 http://www.hitachi.co.jp/
株式会社メディアカイト http://media-kite.co.jp/
株式会社ロフトワーク http://www.loftwork.jp/
HOSTING-PRO http://hosting-pro.jp/
社団法人日本インターネットプロバイダー協会(予定) http://www.jaipa.or.jp/
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[メディアスポンサー](順不同)
株式会社IDGジャパン http://www.idg.co.jp/
株式会社アスキー http://www.ascii.co.jp/
株式会社インプレスR&D http://www.impressrd.jp/
株式会社エムディエヌコーポレーション http://www.mdn.co.jp/
株式会社技術評論社 http://www.gihyo.co.jp/
株式会社サイビズ http://www.cybiz.co.jp/
株式会社シンクイット http://www.thinkit.co.jp/
ソフトバンク クリエイティブ株式会社 http://www.sbbit.jp/
株式会社ファンコミュニケーションズ http://www.fancs.com/
株式会社毎日コミュニケーションズ http://www.mycom.co.jp/
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■審査委員会
●審査委員長
関 信浩 氏 (シックス・アパート株式会社 代表取締役)
●特別審査委員 (順不同)
谷口 一刀 氏 (Movable Type コンテスト2005 グランプリサイト「バカ世界地図」管理者)
加藤 善規 氏 (Movable Type コンテスト2005 準グランプリサイト「DAILYARCHIVE」 管理者、デジパ株式会社 ディレクター)
●審査委員 (弊社除き50音順)
浦上 毅 氏 (株式会社日立製作所 情報・通信グループ アウトソーシング事業部 ブロードバンドサービス本部 本部長)
大島 伸一 氏 (株式会社アスキー アスキービジネス 編集長)
小林 晋也 氏 (株式会社スカイアークシステム 代表取締役)
鈴木 秀明 氏 (株式会社エッセンティア 代表取締役)
諏訪 光洋 氏 (株式会社ロフトワーク 代表取締役)
馬場 静樹 氏 (株式会社毎日コミュニケーションズ Web Designing 編集長)
平田 大治 氏 (シックス・アパート株式会社 技術担当顧問)
馮 富久 氏 (株式会社技術評論社 Software Design 編集長/Web Site Expert 編集長)
藤澤 祥治 氏 (ソフトバンク クリエイティブ株式会社 オープンソースマガジン 編集部員)
村川 知行 氏 (有限会社アートバイブス代表取締役)
安田 英久 氏 (株式会社インプレスR&D Web担当者Forum 編集長)
山口 康夫 氏 (株式会社エムディエヌコーポレーション 取締役編集人 web creators/Web STRATEGY 編集長)
未 定 (ネットスター株式会社)
青山 満 (GMOホスティング&セキュリティ株式会社 代表取締役)


- | 00:03 | comments(0) | trackbacks(2)

        
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