コロナ禍で多くのスタートアップは黒字化が急務になっている。言うまでもなく今後、投資家が激減するからだ。次の増資が成立せず「サドンデス」になる状態からすぐに抜け出す必要があるので、既存株主は「人員削減も選択肢に早急に黒字化を」と主張する。
しかし、実行する側からすると簡単なはずがない。私の起業時の話だが、ベンチャーキャピタル(VC)をやめて実行側に移った創業2年目に、ドットコムバブルが崩壊し大不況がやってきた。できたばかりのネット産業が壊滅しそうな衝撃波だった。
早い話が当社も固定費を3分の1にしなければならなくなった。前途洋々のビジョンを語って集めた社員を突然苦境に陥れることになった。
ゼロから作った決済サービスを止めたくない。ベンチャーの我々を選んでくれた加盟店の期待を裏切れない。しかし金がない。社長自らの給料はゼロの月もあった。長女のミルク代のために帰宅後の缶ビールをあきらめた。次第に社員や幹部が辞めていった。
「株主リターン」「上場」という言葉は棚上げした。このサービスをどうしても諦めたくない社員とともに、自分も営業マンとして単身で会社訪問し、要望を聞き小さな改善を繰り返した。マーケ担当もいなくなったので自分でやった。それまでやれていなかったインバウンドマーケティング(顧客がウェブ検索などの結果向こうからやってくること)へ抜本的転換をした。顧客の獲得効率は3倍になった。
やむを得ない事情で競合他社に乗り換える顧客に、ある社員が「円滑な乗り換えになるよう当社のサービス利用終了後も2カ月無償でサポートします」と言った。意をただすと「長年使っていただいたお客様です。当然です」と胸を張った。短期的には自社の利益にならずとも顧客のために行動するという創業時からの文化が不況の時に研ぎ澄まされていくのを感じた。他の決済会社への乗り換えを社長が命じているのに現場社員が頑として阻止してくれた顧客もあった。
10名足らずのメンバーで2年間耐える中、顧客の解約率が創業以来の低い数字になった。トンネルの出口が見えた。不況のどん底から売り上げが4倍になっていた。黒字化した瞬間は今でも忘れない。赤字の決算しか見たことがなかった経理担当が「間違いではないですか」と何度も財務データを見せに来た。数千円だったが、黒字だった。
世の中では景気回復のきざしが観測され始めていた。その後、資本再編し現在に至るが、今もご利用いただいている当時のお客様には感謝の他ない。経営者にとって一旦縮小、特に人材部分は身を切られる思いだが、それでも成長する方法はある。我々にとってそれは顧客にとことん向き合うことだった。
]]>GMOペイメントゲートウェイ副社長
兼 GMOベンチャーパートナーズファウンディングパートナー村松竜
新卒でジャフコに入社。担当していたGMOインターネットの上場後に決済のスタートアップを起業。
2005年にGMOベンチャーバートナーズを設立。12年よりシンガポールを拠点に活動
この最初の投資から、まさにちょうど10年です。
その後6年にわたり、追加投資しつつ今日に至りました。当時の時価総額は今日、100倍以上になっています。
2009年から、桁違いによい経営チームでした。
今の経営チームのほぼ全員が、設立1年の10年前からそろっていた事は、驚異的です。
当時はリーマンショックの直後で、
もう上場なんて誰もしない
VCの時代は終わり、VCは解散が相次ぐ
もう誰も起業しない
本当にそういう時代だったんですよ。
その時に平然と、敢然と起業したのが寺田さん達で、しかも最初からフルセットそろっている経営チーム。
このあたりからも、いかに異質で異例な、将来の大成功を予感させる船出だったか、がわかるというものです。
とはいえ、名刺管理?という時代でもありました。
競合ソリューションも正直ありました。
自社含めてどんどん導入し、初期は営業も相当お手伝いさせて頂き、というのはありましたが、
予想を大幅に上回る成長を遂げられました。
結局、未来を決めるのは、圧倒的な信念・変わらぬ鉄の意思、で冬でも嵐でもやりきる、事だと思います。
「中華の統一」ですね。
日経産業コラム「1000億円突破には鉄の意志」
「1000億円を超える会社には1つの共通点、それは、リーダーに人間的な魅力的があるだけでなく、とてつもなく大きな目標を達成する鉄の意志を10年単位で持ち続ける超人的な意思力がある、という事です。」
関係者の皆様、おめでとうございます。
]]>
もちろん、これまでもオークションサイトもあれば、簡単なショッピングサイトツールはあった。
しかしやはり一定のプロ意識と努力が必要な行為である事には変わりはなく、コンビニにふらっと立ち寄るとか、ベッドに寝そべったままスマホをいじるような簡単さかと言えばそうではなかっただろう。
日常に溶け込むレベルで簡単に売ったり買ったりするインフラ。
メルカリが変えたのはこの点であろうと思う。
他にも様々なイノベーションを実現した会社が生まれネット業界が発展してきたが、
今までなかったユーザ行動を国民的な規模と範囲で創出した、のはやはり3社目なのかもしれない。
そのような節目の会社は代々1兆円のバーを越えてきた。
世界に行けるかどうかは簡単な話ではないが、日本の悲願として是非声援をおくりたい。
ではそのメルカリ、の駆動力とは何か。
根底にあるものを一つ挙げるならば、創業者の圧倒的な目線の高さと、その継続、だと思う。
その目線の高さはどのくらい高いかと言うと、妥協を許さず果てしなく高い。想像のはるか上を行っている。
多数の起業家と接してきた感覚からしても、普通では考えられない高さなのである。
それがコアな磁石となり、連続起業家や大幹部が集まってくる。
この会社の大きな特徴であり強みは、連続起業家が創業メンバーは無論幹部レベルにまで他にはないレベルで無数に集まっている点でありそのため、経営の執行力が極めて高く、早い。
コンセプト自体は、実は世界で最初でも日本で最初でもなかった。機能面では類似している他社、他プロダクトが存在はしていたが、テーマの設定、見ている距離と時間、高さが違った。
最初からキャズムを飛ばした国民アプリを志向していた。
スマホ普及の波に乗ったとか、最規模CMの成功とか、メルカリの成功要因は多々論じられているが、同じ時期に同様のチャンスがあった会社は他にもある。
ここではこの一点「圧倒的な目線の高さと、その継続」だけ強調しておきたい。
GMO VenturePartnersとしてはローンチ半年後、創業時のラウンドに続く14億円の最初の本格ラウンドとなった2013年の2月のラウンドで出資させて頂いた。
当時、無料サービスで売上がゼロの状態でいつ、いくらの売上利益が創出されるかなど全く想像の世界で投資判断する必要があったのだが、時価総額は当時としても破格だった。
今の相場感覚では数百億円くらいだろうか。売上ゼロでだ。
今思い起こしても大変なラウンドだったと感じる。
https://about.mercari.com/press/news/article/100million_downloads/
こちらの発表のとおり今では1億DL突破しているが、
投資時のあたりでは2013年12月に100万ダウンロード
http://thebridge.jp/2015/02/mercari-surpass-10m-downloads-in-2years
増資後1年で1000万DLに駆け上がって行った
投資時から4年で100万が1億DLになった訳で、DL数だけではなく事業規模もほぼ比例して100倍レベルになった。
この「ご縁」は、結果的に今思うと僥倖としか言いようがないが、これからも諸方面にてお手伝いして参ります。
※GMO VenturePartners投資先13社目の上場となります
]]>
https://r.nikkei.com/article/DGXKZO28947990T00C18A4XY0000…
GMOペイメントゲートウェイは上場して13年になりました。
上場時の唯一の事業だった決済代行事業を基盤にしつつ、今では広告、送金、レンディング、後払い、プラットフォーム事業、スマホ決済事業、グローバル決済等、多様なプロダクトを立ち上げてきました。
中には、主力事業であるH1領域から、その延長上の領域である「H2」領域、そして飛び地である「H3」領域への進出もあり、困難を極めたものもあります。
この寄稿は、5年前に日本ではいち早く発案したスマホ決済の、立ち上げ時の風景。まさにH3です。
結果としてこれが、スマホ決済時代の先駆けとなりました。
特にH3は経営リソースも経営マインドすらゼロから調達する必要があり難しいものがありますが、メンバー一丸となり取り組めてきました。
スタートアップの最初の事業立上げも壮絶に大変ですが、上場後の利益成長とバランスさせながらのこうした新規事業創出も、また別の難しさがありますが、面白さ・熱狂もあります。
この「事業会社における実体験」をGMO VenturePartnersの投資先の応援にも活かして行きます。
]]>
この6年で、投資のピッチのために週末に飛んできたのは彼1人である。
そしてその土曜日17時。
彼が私に説明した「投資家向け資料」はたった1枚だった。その1枚を、彼は2時間もかけて説明した。正確にはもう少しあったが、彼の会社の将来性、プロダクトのすさまじさを物語るのはそのたった1枚だった。
だから私もその1枚だけを見てとことん質問した。「何故こうなのか。この曲線は何故こうではなく、こう進んでいくのか。」「こうすればもっとこうなるのではないか。」
そこには、プロダクト、事業の特徴と課題、上場までの”スケール”の可能性の示唆、その全てが荒削りでも全て埋め込まれていた。
それが「ラクスル」であり、松本さんだった。
その1枚とは「リテンション・レート」つまり継続率のチャート。今後の成長を占う1枚である。
4年間で四半期の売上は40倍になり、本日、ラクスルは上場承認を受けることになった。
GMO VenturePartnersとして12社目の上場となる。
彼が使ったあの1枚で、私は投資を決めた。その1枚でとことん議論した時、彼がいかに自分の事業の重要性とプロダクトの可能性を「とことん考え」「とことん行動している」かがよく分かったからだった。
今日上場承認を受けた屈強なラクスルチームは松本さんがゼロから創っていかなければならなかったのだが、松本さんはそれをやりきった。集まってきたメンバーの凄さは言葉にするのが難しい。なぜそこまで人が集まるのか、と時々不思議になったがやはり原点はあの土曜日の夜見た、松本さんの思考の執念なのではないか。そこに多くの優秀なメンバーも惹かれたのだと思う。鮮明なビジョン、それも大切で、ラスクルにも明確なビジョンがもちろんある。しかしそれだけではいけない。その裏にいかなる執念があるか。それがスタートアップが、一部の業界関係者に知られる状態(ファイナンスステージで言えばシリーズA)で終わるか、上場してさらにそこから飛躍しつつ多くの会社の仕事のあり方、一般消費者の生活のある部分を変えるに至るか、を分ける決定的な分岐点、なのだと思う。
そんな会社があるのか?と疑うような会社、それが、キャリア決済代行サービスを世界で展開するBOKUです。
全世界でApple、Google、Spotify等のコンテンツの巨人の決済を、クレジットカードでもなく、ウォレットでもない、モバイルキャリアという、全世界の共通インフラを使って課金するサービスを展開する、Paymentech, Fintechスタートアップです。
そのBOKUがいよいよロンドンAIM証券取引所に上場しました。
GMOペイメントゲートウェイと、事実上日本初のフィンテック特化のファンドである、GMO Global Payment Fundから出資しています。
GMO Global Payment Fundは、まだFintechという言葉もなかった2013年の設立以来、「アジアで活躍する決済系Fintechスタートアップ」への投資に特化しすでに13社に投資していますが、
このファンドからの第一号上場となりました。
GMOVenturePartnersとしては通算11社目の上場となります。
日本以外では上場というExitは非常に珍しいです。大半は他社への売却なのでこれは稀有な事例と言えます。
GMOVenturePartnersの投資としても、日本はもちろん、NYSEに加えてロンドンと、世界3極での上場実績になりました。日本以外の市場への上場は制度も全く異なるためわからない事も多く、投資家としての苦労も多いですが、
実績を積む事で今後の投資先のExitシナリオの多様化、企業価値の創造・最大化に貢献していきます。
https://www.boku.com/
]]>
]]>
■厳冬の2008年の船出から上場まで
2008年、それは今では思い出す事も難しい、資本市場が世界中で氷河期になったようなあの時代。
そんな時期に勇気をもって飛び出した彼らが創業したのは今ではNewsPicksを擁し、それなりの知名度のあるUzabase社なのだが、2009年に最初の投資をしたときはまったくニュースにならなかったのだから、今では想像もつかない事だ。
GMO VenturePartnersとしては9社目の上場となるがこれまでの上場と異なるのが、創業前の相談から始まり、最初のファイナンスから最後のファイナンスまで投資家として唯一全ラウンドに参加させて頂き、上場までお供出来た事だろう。
(GMO VenturePartnersが運営するファンド、ブログビジネスファンド、GMO VenturePartners3からの投資)
そのため結果的に、創業から上場までのプロダクト戦略・事業戦略・ファイナンス戦略・上場準備時の議論や本日の上場まで、その全てに当事者として参加しつつ、その一部始終を拝見する機会を得た。
その経験から感じる注目点を挙げるならば、
■6つの注目点とその理由
1. 安定成長可能なストック型B2B事業から始まり、高い変化率=アップサイドが上がるメディア事業を2つ目の事業として上乗せする事業展開の稀有な成功例
狙う人は多いが、事業に求められる組織遺伝子が違いすぎるため実現は容易ではない。
2. 日本から始まり、上場前に海外展開にも成功しつつある、希少な国境突破事例
(開示資料における今期の海外売上比率7.6%、SPEEDA単体では9.8%。これは上場ネット大手のそれよりもはるかに高い)
3. ゼロから起業し、特定の事業スポンサーも親会社もなく自分達の貯金からスタートし、シードからシリーズDまでVC投資をフル活用し、上場に至った模範例
4. 生粋の起業家(学生事例等若い頃から商売で叩き上げた)ではなく、大企業で修行し独立し起業した、所謂大企業スピンオフを志す者にとって希望を与える事例
5. 真の意味での共同創業者。特に海外では簡単にCo-founderという言葉を使うが途中分裂は多いし企業の成長に合わせてフォーメーションが変わる事は常であるが、Uzabaseの3名は違う。残念ながら詳細は書けないのだが、ここまで強固な関係で結束した共同創業者達は見たことがない。
6. ファイナンスの節目における戦略目標を毎回見事にクリアし、次の戦略目標とファイナンスに駒を進めてきたという、事業とファイナンスの両輪が綺麗に決まった事例
等が、特筆に値するだろう。
■ファイナンス経緯
2009年8月、3000万円
GMO VenturePartners(ブログビジネスファンド)とマネックス証券中心
SPEEDA開発後の展開資金。目標はSPEEDA事業のPOCであり黒字化。実際に黒字化した。
2012年10月、約2億円
グロービス、GMO VenturePartners(追加投資)
SPEEDAの海外展開資金。ここから海外展開のための投資により赤字を大きく掘って行く。
http://www.uzabase.com/news/News_20121009.pdf
http://jp.techcrunch.com/2012/10/09/jp20121009uzabase-gets-200m-yen/
2014年9月、約4.7億円
伊藤忠テクノロジーV、YJ、講談社、SMBCベンチャーキャピタル、三菱UFJキャピタル、新生銀行、マネックスベンチャーズ、GMO VenturePartners(追加投資)
NewsPicks事業=メディア事業のための投資であり、戦略パートナーの確保。
http://www.uzabase.com/press/pressfinance20140901/
2015年4月、約3億円
グロービス、GMO VenturePartners(追加投資)、伊藤忠テクノロジーV、マネックスベンチャーズ
NewsPicks事業加速化のための投資
この4つの勝負を全て成功させてきた。全てがトーナメントであり、全勝しなければ次がない。
2つの事業と海外展開が始まっている状態、すなわち、高いアップサイド=大きなTAMを資本市場に提示出来る状態で、上場を迎える事が出来た。
解説すればきりがないくらい奥深く、思い出せば熱狂的な瞬間の連続だった。
■梅田さんご自身に聞く、成功するファイナンス戦略
http://gmo-vp.com/interview/2014/03/post-1.html
■さらなる考察・どのような会社、経営チームが上場まで行けるのか、(時価総額)1000億円企業になれるのか。
創業の事業を成功させ、その事業一本で上場する。
その事業の国内展開だけではやがて成長の限界がくるし、ひとつの国内事業だけで1000億円の評価に達する程の規模が出ることも稀なので、いずれにしても次の事業を開発する。
しかし次の事業が、なかなか成功しない。
柱になる事業の立ち上げ、はそれほど簡単なものではない。
新規事業は基本的には失敗するものなのだ。
海外展開にも苦戦する。エージェントに持ちこまれて買収した海外の会社は火を噴く。
最初の事業を成功させたからといって、事業立ち上げや買収のプロではないので、二つ目の事業も、海外展開も、買収も、成功するとは限らないのだ。
よって上場後に成長鈍化、減益状態に陥る。
このような会社は挙げればきりがないくらい多い。
だが今日大手として成長し続けている会社を見れば、曲折を経たとしても新規事業を二回目、三回目、と成功させて成長カーブを継続させている会社なのだ。
彼らに共通しているのは、事業立ち上げのコツのようなものを組織として知っており、100%ではないまでも、一定程度の確率で成功させる点にある。
再現性だ。
この組織としての再現性は、ハードワークであったり、優秀なメンバーをひきつけ・維持・益々の活躍を長期的に促す力であったり、つまりは組織文化であったりするのだが、それが、「有望事業を順次追加してTAMを引き上げていく組織能力」なのだ。
そしてそれこそが、企業価値の持続的な成長、やがて1000億、5000億円に至る道である。
Uzabase社には、この再現性、「有望事業を順次追加してTAMを引き上げていく組織能力」がある。
資本市場との信頼関係の構築が今日から始まる。
これからが、長く、長く、長い。
10年後を期待したい。
]]>
(本投稿は、プリンシパルの宮坂のエントリーになります。)
貸部屋マッチングサイト「Airbnb(エア ビー&ビー/エア ビンビ)」(https://www.airbnb.com/)
国内でもこの名前をご存じの方は多いと思います。
何事も理解するには自分で使ってみることが重要ですが、Airbnbはその特性上あまり使う機会もない方も多いかと思います。そこで、今回はサンフランシスコへ出張するにあたり予約しようと思っていたホテルをやめて、MTG会場で一番近そうな場所を選んで宿泊して実際に使った感想+周辺情報を書いてみました!
◆サービスの利用方法
?宿泊前に行うこと
・Facebookでのソーシャルログインが可能。
・ステイ先、日程、宿泊者数を指定して検索すると該当宿泊先がヒット。
*RoomType(Entire home/apt/private room/shared room)、 値段、googleMapから滞在先を選択してフィルタリングが可能。
・個別の宿泊先について、レビュー数・値段・部屋の中の写真がファーストビューに表示。
・興味がある先をクリックするとhost情報(hostは本人の写真付き、FBでログインしている場合にはプロフィール画像とも連携可能)、photes/maps/street view/calenderで基本情報を閲覧でき、説明・アメニティ/ハウスルールが表示される。これに紐付き、過去に宿泊した人のレビューが閲覧可能。離脱を防ぐために次の物件情報に誘導するための類似物件リストが表示される。
・気に入ればwish listに入れることも可能、またその場で購入することも可能。購入導線では旅行の目的や何が気に入ったか、購入者の趣味はなにかなど必須事項として入力を求められる。追加の質問があればhostにメッセージを送れる。決済方法はvisa/master/amex/discovery/paypal。
・購入完了画面の手前で本人確認のためにSMSを送るための携帯番号を聞かれる。入力するとenter codeが送られてきてそれをWEB画面上に入力する。ユーザ情報と本人確認をもって、hostに情報が送られ、hostが承認すると、SMSと指定していたメールアドレスにcongratulations!のメールが送付される。
・宿泊予定日の前日になるとSMSと指定していたメールアドレスにreminderが送られてくる。
?宿泊時に行うこと
・Airbnb経由の予約という点を伝えるとそのまま通される。クレジットカードを確認されたで、もしかしたら本人確認をしている可能性あり。
?宿泊後に行うこと
・宿泊の翌日に30日以内でのレビューとレーティングの入力依頼がメールで届く。入力していないと2日後にリマインドされる。入力画面は以下の通り。
◆僕が感じた良い点
・UXが非常に良い。不安を感じるhostの情報、部屋の中、アメニティ、過去に泊まったことがある人の(FBと連携しているため基本実名の)レビュー、レーティング、GoogleMAPを使った周辺情報など判断するのに必要な情報が一目見て簡単にわかる/使えるように設置されている。SMSを使った本人確認の方法、決済も非常に簡単。
・決済完了後は友人を誘うとその金額と同額(今回の場合は一泊8,207円で友人が仮にairbnbで6,155円使うと2,052円(25%?)がもらえるとの表示が出た)がもらえるので、友人を誘うインセンティブが強い。これは多分、airbnbの成約時の報酬が6〜12%なので損が出ているはずなので、ユーザ獲得(例えば僕は日本人設定していて、airbnbが日本人の未登録ユーザを取りたい考えた場合はユーザ獲得コストの拠出が可能となる)か活性化のために行っていると推察。
ユーザ紹介誘導画面:https://www.airbnb.com/referrals
・ユーザ側だけではなく、hostも評価するので継続して安く泊まる場所の利用を許諾してもらうためにはユーザ側もレートを高める必要がありよい循環に。
◆僕が感じた悪い点(改善点)
・UIがまだ英語圏のユーザ向けなのでUXが国による異なる場合は使いにくい、また言語サポートも必要。
・物件名、ホストの名前で検索ができない。物件名を覚えていて振り返りたい場合に対応しにくい。
・友人に物件情報を知らせる際に友人のメールアドレスを入力すると概要が飛ぶが、checkin/checkout時間や何人で行くか、その物件情報の他の人からのレビューまで分かってしまい、単に住所やGoogleMap上での場所を教えたいというライトなユーザーは使えない。(下記はメールに添付されている物件情報URLをクリックして表示される画面)
https://www.airbnb.com/users/show/993102
・写真等のアップロードがどうしてもhostに依存するため、どうしてもユーザ側が感じるものとギャップは残る。ユーザレビューを入れて最適化されるはずだが、グローバルのユーザをまとめてしまうとユーザを入力する人の感覚が国により異なるのでまにうけるとギャップが大きく感じる。(なので、同じ居住地域やそのユーザが特に気にしている点を事前に聞いてレビューをフィルターかけるとよい。)
◆全体的な評価
・僕が予約した所だけだとサンプルとして少ないのですが、金額を抑える目的で一人又は気の知れた友人で行くなら期待値を落として継続利用してもよいかと思いました。物件がもっと良かったり、ビーチや歴史ある家とかなら彼女・家族での利用の可能性もある(つまり他の利用用途ニーズも取れる)と思いますが、実際どれだけの物件登録があってどのレベルなのかをもっと知りたいと思います。逆にいえば、良い物件がそろってレビューの精度を高めていけば、普段は見つけられない良い物件や値段の引き下げが可能になるので伸びる可能性あると思います。
・プロダクトの完成度は高く、英語圏のユーザであれば殆ど面倒くささなく予約までできると思います。また、携帯(アプリ・SMS)と連携するので移動しても携帯から地図や住所情報を見ることができて非常に便利でした。
以上が、体験レポートでした。まあ、非常に良い経験でしたし、機会があれば今度は結構グレードあげてみてアジアとか行ってみたいところです。
ちなみにですが、ちょっとairbnbについて調べてみたので雑感と一緒に書いて終わりにしたいと思います。正確さに重きを置いていないので、何かに使う場合には細かい点はお調べになってくださいね。
◆サービスの概要https://www.airbnb.com/
・2人のデザイナーが創業。きっかけはデザイナーの集まりで周辺のホテルの宿泊価格が高騰/場所がない状態が起こり、周辺の空き部屋をまとめたところ需要があり、これをもとにサービスへ。
・やはり誰が人の家に好き好んで泊まるわけが無いなどの創業当初の批判の嵐があっただが、現在ではRent from people in 32,836 cities and 192 countriesで、2010年1月に10万泊、10月で55万泊、12月には80万泊、2011年2月で100万泊を達成。つまり1年で提供宿泊件数が110%の伸びを記録(以下は推移を示すグラフ)
・AirBnBのビジネスモデルは以下。
http://bizna.jp/labblog/?p=3649
・最初にPC版からつくり、2010年11月(つまり宿泊数が55万泊になった後)にiphone版リリース、同時にUIデザイナーを募集(http://blog.airbnb.com/ui-designer)し、これが現在のUIにつながっている模様(つまりシリーズAと同時に採用している。その前はUIデザイナー不在だが、それでも2010年10月に55万泊まで行けるだけのサービスをつくってる)。ちなみに、2009年のUIは以下でかなり違っている様子。
http://www.atmarkit.co.jp/news/200911/02/airbnb.html
◆ユーザの獲得方法
・ユーザの集め方として、Craigslistの住宅カテゴリーに掲載された案件に対して、airbnb.comドメインでは無く、大量の無料メールアドレス(yahoo.comやgmail.comなど)を利用して、Airbnbがいかに成長しているかを記したメールを送ってAirbnbの登録を促していた。実態はスパムだが、これでユーザ獲得に成功した様子。また、AirbnbからCraigslistにも自動案件投稿できるような機能も搭載しており、今までCraigslistしか利用していなかったユーザーにとって、AirbnbからCraigslistにも合わせて投稿できるんだったらAirbnb使おうか、という気持ちが働くようになり、Craigslistのユーザ基盤を奪う戦略の様子。
参考:http://davegooden.com/2011/05/how-airbnb-became-a-billion-dollar-company/
Craiglist:http://www.craigslist.org/about/sites/
・また、2009年1月中旬に行われたオバマ大統領の就任演説では、全米から推定40万人が参加したと言われているが、ワシントンD.C.の全ホテルの部屋数を足しても約2万にしかならない。圧倒的に宿泊施設が足りていなかったのだ。このタイミングでAirbnb使えば宿がとれるということを主要メディアに取り上げられ(意図的かは不明)拡散した様子。世の中的なイベントに合わせてうまくPRした例。
◆ファイナンス推移
・2007年9月のアイデアからローンチの2008年8月までに約1年は手金で対応。サービスローンチから半年後、2008年12月の最初のマッチングから1ヶ月後の2009年1月にシードステージとしてYconが$20Kと小額出資、その3ヶ月後にあたる2009年4月に成約件数が約2500件に達したタイミングでセコイアとユニバーシティベンチャーズが$600Kを出資。2010年11月にシリーズAで$7.2Mと大型ファイナンスを行い(このとき2010年10月で55万泊達成済み)、2011年5月には推計10億ドル以上の企業価値を元に1億ドルの投資、Andreessen
HorowitzやDigital
Sky Technologiesなどからの大規模投資へ。
TOTAL($120M) |
|
VENTURE FUNDING TOTAL($120M) |
|
Seed, 1/09 ($20k) |
|
Seed, 4/09 ($600k) |
|
Series A, 11/10($7.2M) |
|
Series B, 7/11 |
ざっくりなのですが、ご興味ある方は深掘って調べてみると面白いと思います。自分で身をもって体験することで良し悪しや可能性が分かるのは何でも同じだと思います。今回も非常に良い体験でした!
]]>(本投稿はGMOVenturePartnersとGMOペイメントゲートウェイで実施中である、CXO(幹部候補)インターン生による。)
現在、日本のEC市場は8.5兆円規模。アメリカでは2,260億ドルの市場があり、2016年には3,270億ドルに達する見込みだ。(※1)
そしてスマートフォンだが、普及率が49.7%にまで達しているアメリカに比べ、国内のスマートフォン利用者数は2,400万人以上で普及率は23.5%でしかない。これだけ急激に普及しているかに見えて、である。(※2)つまり、これから本格普及期に入るのである。そしてそのスマートフォン上で起こる行動として大きなインパクトが予想されるのがECであることは改めて指摘するまでもない。
スマホECは、誰もが予想できる新大陸なのである。
さて、その新大陸で勝利を収めるためには、スマホ上での消費者の動きを明確に把握することが必要不可欠となる。
インターネット上で購買に至るまでの行動プロセスモデルは、これまでいくつも提示されてきた。「AISAS」「ISCEAS」などがそれである。
だが、どれも新しいシーンとなるスマホでの購買に限定して考察されたのものではない。
今こそ、新しい行動プロセスモデルが必要なのではないだろうか?
そこで我々CXO(幹部候補)インターンは、ここに、スマホに限定した新購買プロセスモデル「TIP&DEAR」を考案するに至った。
「TIP」 :スマホで認知 ⇒ スマホで購入
「DEAR」:スマホ外で認知 ⇒ スマホで購入
(CXOインターンプログラム生、Kのエントリーです。)
最近、日本でも話題になってきている画像に特化したSNS、Pinterestの新たなライバルとして、今注目されはじめているのがFancyである。Pinterstで自分のピンボードにお気に入りの画像や動画を集めることができるように、Fancyでも気に入ったものや興味があるものだけを集めたオリジナルのカタログをウェブ上で作ることができる。
双方とも画像メインのキュレーションサイトであることは共通しているが、FancyはEコマースに力を入れており、誰でもサイト上に商品を投稿することができ、外部の購入サイトにとぶことなく、直接販売や購入をすることができるという点でPinterestと異なる。現在、購入可能なアイテムは15万点にのぼるという。
ユーザー層からもこの違いをみてとることができる。Pinterestはユーザーの80%を女性が占めているのに対して、Fancyはユーザーの60%が男性である。これは、Pinterestではレシピや引用、装飾的な写真などをボードに上げ、自己表現を楽しむ女性が多い
一方、Fancyでは、購入につながる洋服やアクセサリーなどの商品をアップするなど、実用的な使い方をする男性が多いためだ。
もちろん、2008年よりサービスを開始し、現在ではユーザー数が1000万人を超えるPinterestにはまだ遠く及ばないが、Fancyは昨年からスタートし25万ユーザーを集め、毎日10万人から20万人のユニーク・ビジターが訪れるまでに成長している。
最近ではTwitterやSquareの創業者であるJack DorseyやFacebookの創業者のひとりであるChris Hughesを役員に迎えており、今後が大いに期待されるサービスである。
Kauliは2名でスタートし、今でも10名規模だ。
開発はもちろん100%内製だ。
1年前にSSPやRTBを先陣を切って始めたが、ラボのような会社で、地道にロジックを考えたり、実装したり、解析したり、ひたすら大量配信したりしていた。
そこに時代が追いついてきた。
昨年後半から急激に配信規模が増え、1万を超えるオンラインメディアに対して月間70億インプレッションを超える広告を配信、広告のリーチ数として、上も下も大資本の中で国内第5位に躍り出た。
所謂「シードアクセラレーター」は増えているが、GMOVenturePartnersはインキュベーションやVC機能を多機能的に発揮し、関与先を絞り込んで地道な価値創造支援を続けており、それが今回一つの形になった。
D2Cはドコモと電通の合弁会社として有する最大手モバイルメディアレップの顧客基盤に対して、当社がD2Cの基盤上に構築するスマートフォン向けSSPを提供することにより、広告販売の拡大を目指す。
さらに、成長加速のために、DFJのグローバルネットワークファンドであるDFJ-JAICは、アドテクノロジー業界をはじめとしたITセクターに対し日米熟知したクロスボーダーで投資・支援する米国のVCファンドとして、Kauliに対し、IPOを目的とした当社成長戦略の支援をおこなう。
国内最大級の企業グループが、買収ではなく、筆頭株主として資本参加しつつも、IPOを目指し、米系のVCも株主に加わる。
実に稀有な取り組みとなる。
この強力な布陣の一員として、成長加速を支援していきたい。
今回のIVSのベンチャーファイナンスパネルを拝聴し、以前下記のブログにも書いたテーマを
改めて考察したくなったので、パネルのまとめを記載しつつ、自身の考察を加えたい。
1年半前のブログのエントリー「なぜ日本にgoogleやAmazonがないかって?」
http://blogfund.jugem.jp/?eid=161
シリコンバレーやシアトル、要は西海岸にあって日本にないものを考えてみる。
?起業家の数。桁違い。まず100倍以上の差がある。
?優秀なプロCEO・COO・CFO・エンジニア等の数が桁違いというよりは日本には「層」としては存在すらしない。業界共有の暗黙の給与テーブルすらある。
googleもFacebookも、優秀な創業者だけで伸びたわけではない。日本の場合は創業者=CEOだから、母数もスケールもスピードもかなわない。
?北米市場だけで5倍程度、英語圏となると7〜9倍もある市場規模。言語に依存するビジネスならば不利を通り越して勝負にも比較にならない。
?コンセプトに人・モノ・カネ・情報が瞬間的に集まる社会インフラというか社会通念、価値観の違い。
「ソーシャルなんとか」「クラウド」「クリンテック」。すべてアメリカ人得意のコンセプトの発明だ。そこに脅威的な人材流動性。優秀なエンジニアを、1年で200人さっと集められる(勝てないと思えば数か月で離散するが、、)。
?エンジェル・VC・資本市場の層の厚さの違い。世界中から資金も優秀なアナリストも集まっている。
にも書いたのだが、
日米の違いを考えるとき、この構成要素全体を考える必要があるだろう。
そんな中で今回のパネルディスカッションでは?を中心とした議論だったと理解する。
改めて印象的だった個所を補記しながらまとめる。
---------以下パネル参加者の発言より。()内は村松の補足
インキュベイトファンド本間氏:googleのエンジェルラウンドはvaluationで10M$程度だったが(これも相当大きいが)シリーズAでKPCBが入ったときはvaluationが90M$だった、この間の企業価値の引き上げをしてくれる人が日本にいるのか、という視点が重要。なかなかいない。(※ちなみに上場時のvaluationは10兆円を超え、KPCBには1兆円以上のキャピタルゲインが発生したと思われる)
グロービス仮屋園氏:グロービスのファンドは海外出資者が80%だが、日本にはまだ何かあるのではないかという期待と、20年くらいの目でみて世の中をよくしていく会社に投資したい、という創業ファミリーの資金、というのもあるので、アーリーステージだけではなくバランスをとって投資する方針。
UBS証券アナリスト武田氏:日々、海外投資家からの日本のネット企業への期待値が下がってきていると感じる。この2−3年はソーシャルで何か新しいものを探すとUSにも中国にも上場会社がなかったので、日本のソーシャル系上場ベンチャーに流れてくる事があったが、今はrenren等の海外系が増えてきて相対的に魅力が低下してきているのではないか。
(※実際に現在のDeNAの時価総額は4400億円だが、これはPERで13倍程度しかない。この低いValuationの背景には、ユーザ数7億人を突破したFacebookの上場が近づき、renrenやLinkedIn等のSNSの上場が相次ぎ、投資先が増えてきた事であえて日本のSNSに投資する海外投資家が減ってきたという事だろうし、あまりにも急激な利益成長を一過性のものとして理解して安心してしまっている投資家が多い事もあるとの指摘がある)
DCM伊佐山氏:DCMのファンド出資者(LP)の声としては、次のgoogleを見つけてくれ、中途半端なバント(売上がすでにあるとかあと2,3年で上場するとかの会社への投資=投資時のValが高いので結果として大きなリターンが出ない)なんかしないでくれ、という声が強い。そのような、全くこれまでにないものを生み出すようなベンチャーの初動の資金としては2-5億円は必要で、その全額を出資するが、なくなったらそれでいい、一社でもgoogle級の会社が生み出せればそれで他の失敗を全部取り戻せてリターンが出せる、というのがシリコンバレーのVC世界の考え方
。
(※このようなLPの要求の背景には、LP自体が年金ファンドを中心に非常にプロ化した投資家であり、膨大な資金を様々な金融商品に分散投資しており、何割かはプライベートエクイティに組み入れ、ごくわずかなパーセンテージの資金をVCファンドに組み入れる。当然この部分に期待するのはハイリスクハイリターンなので、他の金融商品のようなローリスクローリターンな投資方針は取ってほしい訳がない、それならVCファンドに投資しない、という考え方は確実に存在する、少なくとも99年時点ではそうだった。日本のPE含めた資本市場はこのような重層的な厚みを形成しておらず、またVCファンドのパフォーマンスは概して高くないので、ホームラン狙いのリクエスト自体ありようがないと思われる)
直近のDCMの事例としては、最近NYSEに上場した中国大手SNS、renrenは、大学院の同級生が北京に帰って当時のSNS、フレンドスターの物まねをする、奥さんと子供を米国において、成功したら呼ぶという気合いにも共鳴し、エンジェル投資の中で投資した、それの会社を他の会社が買収してその会社にどんどん追加投資していった。
SNSでもなぜこんなに時価総額が日米では違うのか?という質問に対しては、USでは時価総額500億円以下のIPOの引き受けはやらないと証券会社に言われてしまう。renrenの場合も何度も低いValでの上場という誘惑があったが数年前、ソフトバンクから300億円の出資を得て一息ついた。その時孫さんからは時価総額3000億円になるまで上場するな、と言われてしまった事もあり、引っ張って先日上場した。
OPIというホールディング会社の中で儲かっている会社をくっつけてrenrenにして上場させた。
日本では最初に十分な資金を与えないので、一番やりたいことがやれていない。受託などから始める。それが日米のベンチャーファイナンスの最大の違い。バントの練習ばかりしていてホームランバッターになれるのか?ホームランバッターを生み出すには、三振をたくさんすること。
---------(ここまで)
という事で、VCの存在や投資方針はその背景にあるファンド出資者、社会の資本構造、さらには?ー?で指摘した多様な要素の複合要因により決定づけられると考える。
日本からホームランバッターを生む出すのは簡単ではない。
しかしいなくてよいのか?と言われれば、よいわけはない。この簡単ではない課題に取り組みには、米国留学を全国民に義務づけるとか、かなり過激で突拍子もない発想を真剣に議論に取り入れていく必要があるだろう。
※29日22:30追記
一概に、バントを否定しホームラインを肯定している訳でもない。現実はもっと複雑で多様だ。
GMO-PGは現在のGMOインターネットグループに参加する以前、独立系時代に大半の先行投資を10億円規模のVCファイナンスでまかない、最初から本来やりたかった決済サービスを開発・展開させて頂き、黒字化し、上場準備も行った。GMOインターネットグループとなって半年でIPO、上場時には時価総額1000億円近くとなった。しかしながらインフラに近いレイヤーでのBtoBtoCのビジネスであるためか、一発狙いという発想よりはむしろ「バント」を千回も万回も死ぬほど積み上げてきた。結果的に10年近く保有頂いたVC数社には数十倍のリターンをお返し出来たが、当社自身にはホームランという感覚はない。ホームラン狙いの戦略はすなわち「外したら倒産」であり、社会全体が失敗に寛容な米国と異なり、失敗に冷徹な日本で経営する以上、「様々なステークホルダーに対して経営責任を果たせるか」という視点からすると、なかなか難しい議論である。
]]>及ぼしてきた。
古くは15世紀、グーテンベルグの活版印刷により、はじめて書物は特権階級だけのものではなくなり、後の宗教改革を引き起こした。
そして550年後、Six Apart社の「Movable Type(=活字)」というツールの登場により、人々はブログという方法で、ありとあらゆる事柄を−そう、「市民による政府の監視・告発」から「亀の飼育日誌」まで、個人の意見として世界中に表明し始めた。
マスメディアの情報を一方的に受け取るのではなく個人が力を持ち、あらゆる方法で発信していくこと。
この動きは加速こそすれ、止めることはできない。
それは水がまっすぐに低い所に流れるように、自然な欲求だ。
さて、2011年5月。
私たちはソーシャルショッピング&コーディネートサービスの『iQON』を運営する株式会社VASILYへの資本参加を決定した。
『iQON』はインターネット上のあらゆる商品データを用いて、ファッションコーディネートを作成することのできるサービスだ。
日本に約4000億円あると言われているファッション市場だが、インターネット化という意味ではまだday1、それも午前3時だ。
ほとんどのプレイヤーは眠っているに等しい。
今までこの分野は、メーカーとファッションジャーナリズムからの一方的な情報発信だった。
一部情報の出し方がインターネット上で行われたとしても、その構造は変わらない。
VASILYはそこにユーザー主導の楽しい変化を起こそうとしている。
『iQON』の上ではユーザーによって有益な情報が集められ、選ばれ、そして再構築される。
既に小学2年生から50代のご婦人まで、多くの女性ユーザーが自由な発想で作品を発表し、facebookやtwitterなどのソーシャルメディア経由で友人と共有し始めている。
それは旧来の発信者側だったプレイヤーにとっても、驚きに満ちた、有益な対話の場となるはずだ。
いつの時代に於いても、方法は何でもいい。
あらゆる手段で私達は自らの内面を表現し、共感を求めてやまない。
そして外見は内面のいちばん外側なのだ。
私たちは2009年から『iQON』の可能性を模索し、互いに議論し、そしてこの分野の発展を確信して今回の資本参加に至った。
個人が自由に考え、情報を発信する手段を持つこと。
それこそが世界をカラフルにし、人類を進化させる手段だと信じているからだ。
ある作家の言葉をかりるならば、こうだ。
『もしも高く固い壁と卵が対峙するならば、
私たちは常に卵をエンパワーメントする側に立つ。』
ファッションとインターネットの幸運な出会い。
それはまだ始まったばかりだ。
GMOペイメントゲートウェイはオンライン決済サービスを提供する、
「Payment Service Provider」である。
圧倒的にECサイトが多いがそれ以外にも、様々な業種、水道料金からイラスト投稿サイトの投げ銭的課金まで、25,000サイトに年間8000億円決済処理いただいている決済プラットフォームである。
Eコマース産業における当社の立ち位置だが、「決済ボタン」を押してから決済完了するまでの約5秒、ここが守備範囲なので、購買意思決定の「ラスト1マイル」、ということになる。
実はこの部分に制約が多かったのは事実である。
たとえば数百円の少額課金はクレジットカード導入が難しいだとか、前払い型のグルーポンモデルにはクレジットカード導入が困難だとか、この5秒の空間の制約がそのままEコマースのビジネスモデル制約になってしまう。
これでは思ったようなビジネスモデルの構築が難しくなり、マネタイズ・経営戦略にも影響する。
だから当社はいかにこのラスト1マイルを自由にするか、そのイノベーションによって、皆様の多様なビジネスモデル実現をお手伝いしようとしてきた。
当社の創業はEC元年ともいうべき1995年である。一貫して、決済という視点でこの産業の興隆にかかわってきたが、ECの15年の歴史で特筆すべき重要なシフトは3つしかないと思っている。
まず最初はネット化自体が価値をもっていた。いながらにしてこんなものも買えるのか、だとか、無在庫でなんでも揃っているとかである。
第2のシフト、とにかく早く届く、安く買う、そしてポイントインセンティブが全盛である。過去3年間の不況の中で産業全体ではほとんど影響をうけないどころか、むしろ躍進し、百貨店市場を追い抜いたのもそれが強いドライバーになっていることは否定しがたい。価格比較サイトが強い影響力を持ち時価総額も1000億円規模になったのもこの時期である。
しかしそれだけでいいのか。
ECの価値はほんとに、早くて得する、これだけなのだろうか。
安いがお店は儲からない、安売りについていけないサイトの廃業も目立つ。安売りだけなら世界でAmazonしかいらないではないか。
現在6兆円のわが国のEC市場がさらに10兆、20兆円規模に発展するためには、これから第3のシフトに入るべきで、そのドライバーこそがソーシャル要素を取り入れたソーシャルコマースではないのだろうか。
電子商取引からソーシャル商取引へ。ECからSC。
昨日発表されたmixiのグラフを使ったプラグインやタグを使えば、今までにない「購買者と商品の出会い」「コンテキストにもとづいた購買体験」がデザイン出来るはずである。
すでの大手事業者との提携も発表されたが、今後に注目したい。
GMOインターネットグループにおいても、ショッピングカートや各種メディアとの連携が急速に進みつつある。
グルーポン型のビジネスモデル、小額課金+継続課金、スマートフォン上でのEC、それぞれ決済プロセスからみると様々な制約があるのだが、それをどんどん改善していきたい。
スマートフォン上のWebを有料化したりアプリを継続課金するためのソリューションは好例である。
このケースは大手カード会社、電子マネー会社、MTIとの提携で実現した。
決済プラットフォームなのでオープンイノベーションが肝要である。
イノベーションパートナーは常に募集中なのでお声がけ頂けるとありがたい。
ヤフー | 1,856,899 |
楽天 | 830,560 |
ディー・エヌ・エー | 378,568 |
グリー | 264,085 |
カカクコム | 95,990 |
ミクシィ | 70,089 |
ソネットエンタテインメント | 57,926 |
ぐるなび | 36,118 |
プロトコーポレーション | 32,981 |
クックパッド | 29,005 |
CHINTAI | 17,198 |
ニフティ | 14,443 |
ウェザーニューズ | 13,052 |
ネクスト | 12,782 |
カービュー | 9,467 |
オールアバウト | 6,942 |
e−まちタウン | 6,164 |
ウェブクルー | 4,622 |
オウケイウェイヴ | 3,608 |
アイティメディア | 3,417 |
夢の街創造委員会 | 2,621 |
比較.com | 2,613 |
エキサイト | 2,089 |
システムソフト | 1,332 |
ベンチャーリパブリック | 719 |
合計 | 3,753,290 |
楽天 920,952
ディー・エヌ・エー 402,866
スタートトゥデイ 78,019
ネットプライスドットコム 7,708
ゴルフダイジェスト・オンライン 4,112
らでぃっしゅぼーや 3,902
スパイア 2,776
ストリーム 2,578
ケンコーコム 2,220
マガシーク 1,812
スタイライフ 1,684
コングロマリット化する楽天、ソーシャルゲーム収益が突出するDeNAを除き、純粋なEC系ということで言えばスタートトゥデイ(ZOZOTOWN)の780億円が際立っている。経常利益、前々期22億円が前期32億円と30億円を超えたこの規模でまだ50%成長を維持しているところがすごい。
マガシーク、スタイライフがアパレル系としては先行したはずだがこの状況を見ると、EC産業はまだまだ逆転余地のある産業だと言えそうだ。
※追記
リアルタイムWebシフトを個人的に実験。
このエントリーをアップして90分が経過。エントリーのPVは約350だが、twitter経由が約300。コメント、TBはゼロ、twitterでのRT等の反応は約50。
つまりリアルタイムトラフィックは圧倒的にtwitter依存であり、ブログリーダーとしての役割を80%代替したと、このタイミング、断面だけ切れば言える。
※さらに追記
12時間経過時点でエントリーのPVは約1000、twitter経由が約500。時間の経過とともにリアルタイムWeb経由の比率が減り、nonリアルタイムWeb経由のトラフィックがじわり増えてきた。
]]>トラフィックやユーザ数、収益を飛躍的に伸ばしているベンチャー企業が国内でもこの1年で何社も誕生している。
当社でも昨年末からソーシャルアプリプロバイダー(以下、SAP)への投資を強化、現時点で3社への投資を実行している。
投資先の一社がSAP参入しているため、ブログビジネスファンドの27社の投資先のうち4社がSAP、投資金額でいえば約20%程度を配分しているということになる。
「アプリやろうぜbyGMO」においてもコンセプト設計の段階から参画しており、これから応募企業への資金面の支援部分を主に担当していく。
そんな中直近で出資した会社で、iphone,facebookアプリを先行させ、Facebookのインベスターコンテスト「fbFund2009 top50finalist」に選出されるなど早期から海外展開し高い実績や知名度を持つのが、Istpika(イストピカ)社である。
国内プラットフォームでもmixiのPCでは海外SAPが上位をひしめく等、競争環境は激化している。
同社はモバゲータウン向けのアプリにも展開しており、ランキングも上位(3月20日現在、週間女性ランキングで3位、月間でも5位)に着ける等、非常に好評である。
今後ソーシャルアプリ市場で勝ち抜く為には、ソーシャル性、リピート性、高いゲームクオリティもさることながら各プラットフォームに適した戦略、優れたマネタイズ性を持つゲームデザインを設計できるかにあると考える。
Facebook展開することを当初から想定し、海外展開スタッフを擁している開発体制も評価が高い。
社長がゲーム開発会社を経営してこられた点からも、経営経験と今後本格化するゲームクオリティの勝負においてその経験をすでに有していることから競争優位性が高い。
ブログ
福島社長twitter
いずれもかなり内容が濃く、SAP研究される方には必読である。
数あるSAPの中でも日本発のグローバルベンチャーを狙う企業として期待がかかる。
日 時 |
2010年3月18日(木)19時30分〜21時30分 |
場 所 |
セルリアンタワー東急ホテル(東京都渋谷区桜丘町26-1) |
登 壇 者
(五十音順・ABC順) |
ウノウ株式会社 代表取締役社長 山田 進太郎様 グリー株式会社 代表取締役社長 田中 良和様 株式会社ディー・エヌ・エー 取締役ポータル事業本部長兼COO 守安 功様 株式会社ドリコム 代表取締役社長 内藤 裕紀様 ブレークスルーパートナーズ 赤羽 雄二様 株式会社ミクシィ 代表取締役社長 笠原 健治様(ビデオレター) Exys株式会社 代表取締役社長 稲冨 正博様 GMOインターネットグループ グループ代表 熊谷 正寿 |
このままでは日本はどうなる。
米国で前職のVCを辞し、日本に帰国しての起業だった。
振り返れば、無謀じゃなかったと言えば嘘になるかもしれない。
以来、激動の毎日に一喜一憂し、幾多の困難に七転八倒しながら、そして時には当たり前の厳しい現実に打ちのめそうになりながら、
それでも決して諦めずにやってこられたのは、
経験もない、向こう見ずの、想いだけの駆け出しの起業家を、
様々な形で温かく時には厳しく支援頂いた投資家、
コンセプトや製品・サービスへの想いに共感頂き採用下さったお客様、
資金もないのに開発や経営を支援頂いた方々、
人生を賭して参集してくれた創業期の仲間達が、いたからこそだった。
あらためて深く感謝したい。
後半の5年は上場会社の経営と、新たなるベンチャー企業への投資と支援という新たな役割で過ごした。
景色は全く変化したが、変わらないのは、昨日の常識を今日の非常識とし、昨日の非常識を今日の常識とする。現状を、日本を何とかしたいという強い渇き。石に閉じ込められた女神を救い出したいというロダンの衝動。
「Think Different」
「新しく出て行くものが無謀をやらなくて一体何が変わるだろうか」
日本はこれから未曾有の変化を経験する。
次の10年もまた激動だろう。
世界もまた様々に変化するが、なすべきは単に利益を追及することにあらず。変わらない普遍なるものを追及していきたい。
シリコンバレーやシアトル、要は西海岸にあって日本にないものを考えてみる。
?起業家の数。桁違い。まず100倍以上の差がある。
?優秀なプロCEOの数が桁違いというよりは日本には「層」としては存在すらしない。Yahooもgoogleも、優秀な創業者だけで伸びたわけではない。日本の場合は創業者=CEOだから、母数もスケールもスピードもかなわない。
?北米市場だけで5倍程度、英語圏となると7〜9倍もある市場規模。言語に依存するビジネスならば不利を通り越して勝負にも比較にならない。
?コンセプトに人・モノ・カネ・情報が瞬間的に集まる社会インフラというか社会通念、価値観の違い。
「ソーシャルなんとか」「クラウド」「クリンテック」。すべてアメリカ人得意のコンセプトの発明だ。そこに脅威的な人材流動性。優秀なエンジニアを、1年で200人さっと集められる(勝てないと思えば数か月で離散するが、、)。
?エンジェル・VC・資本市場の層の厚さの違い。
他にももっとあるだろうが、ざっとこんなところだろう。
よくあるVC原因説も的外れだ。あくまでも5番目の要因だからだ。最初の4つが5つめを規定する。
上記を解消するために通信インフラがどうしたというのか。
まず人と違う事はよいことだ、新しいコンセプトを考える子供が一番偉い、商売はよいことだ、という発想の転換を義務づける。その上で義務教育への起業家育成コースの導入、留学や英語教育の強化等、一大教育改革にこそ、今回捻出した1.5兆円?を全額投入してもまだ足りないくらいではないだろうか。
我々にとっては神風である。
このような状況により、相対的に当社および当社が関与するプロジェクトの場としての魅力が急上昇している。破壊的ビジネスイノベーションを仕掛けるベンチャー企業にとっては、不況化こそ最高の成長チャンスである。
インターネットは死んでいない。もちろんである。ベルカーブの後半にさしかかってきたので一部のインテリ層やテッキー層だけのものではなくなったのは自明であるが、それだけのことである。そして重要なことは、大きな数字が期待出来るスケールに達したことにより、可能になってきたことが沢山あることだ。