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その起業家の驚くべきフットワークと、投資を決めた一枚の図

「あ、であればシンガポールにいきますね」
シンガポールに住んで6年、毎月のように日本に帰っているのだが、4年前のそのタイミングは、ちょうどその先1ヶ月は日本出張のない時期だった。
そこでその起業家は、渋谷まで出て行きます、くらいのノリで言った。
「土日で往復出来ますから」。

 

この6年で、投資のピッチのために週末に飛んできたのは彼1人である。

 

そしてその土曜日17時。
彼が私に説明した「投資家向け資料」はたった1枚だった。その1枚を、彼は2時間もかけて説明した。正確にはもう少しあったが、彼の会社の将来性、プロダクトのすさまじさを物語るのはそのたった1枚だった。

だから私もその1枚だけを見てとことん質問した。「何故こうなのか。この曲線は何故こうではなく、こう進んでいくのか。」「こうすればもっとこうなるのではないか。」
そこには、プロダクト、事業の特徴と課題、上場までの”スケール”の可能性の示唆、その全てが荒削りでも全て埋め込まれていた。

 

それが「ラクスル」であり、松本さんだった。

 

その1枚とは「リテンション・レート」つまり継続率のチャート。今後の成長を占う1枚である。

 

4年間で四半期の売上は40倍になり、本日、ラクスルは上場承認を受けることになった。
GMO VenturePartnersとして12社目の上場となる。

 

彼が使ったあの1枚で、私は投資を決めた。その1枚でとことん議論した時、彼がいかに自分の事業の重要性とプロダクトの可能性を「とことん考え」「とことん行動している」かがよく分かったからだった。

 

今日上場承認を受けた屈強なラクスルチームは松本さんがゼロから創っていかなければならなかったのだが、松本さんはそれをやりきった。集まってきたメンバーの凄さは言葉にするのが難しい。なぜそこまで人が集まるのか、と時々不思議になったがやはり原点はあの土曜日の夜見た、松本さんの思考の執念なのではないか。そこに多くの優秀なメンバーも惹かれたのだと思う。鮮明なビジョン、それも大切で、ラスクルにも明確なビジョンがもちろんある。しかしそれだけではいけない。その裏にいかなる執念があるか。それがスタートアップが、一部の業界関係者に知られる状態(ファイナンスステージで言えばシリーズA)で終わるか、上場してさらにそこから飛躍しつつ多くの会社の仕事のあり方、一般消費者の生活のある部分を変えるに至るか、を分ける決定的な分岐点、なのだと思う。


 

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