字幕inの事業化のためのエンティティ(株式会社)設立のお手伝いを行った。
必要に応じてセルリアンのオフィススペースを使って頂くことにもなっている。
無論、今後必要があればさらなるお手伝いをする準備もある。
無職から社長に――「字幕.in」が会社化ITメディアより
ご存知のとおり「字幕in」とは、2007/1/14にリリースされた、 YouTubeの動画にブラウザ上から字幕を挿入できるサービス。
そしてその開発者である「satoru.net」を主催する矢野哲(さとる)氏は、矢継ぎ早なるサービスリリースを「1人で」続け、個人で一日500万ページビューを稼ぐ事で話題になった。
「ネットは遊び場」――「字幕.in」を1人で作る25歳・無職
- 2007/5/26 ネトラン連載用作品、あなたの目を電脳ハックをリリースしました。
- 2007/4/24 Y!コンテスト用作品、完全自動検索エンジン『アンドロイド』をリリースしました。
- 2007/4/16 YPediaに音声機能、検索機能、ブログパーツ機能が実装されました。
- 2007/4/8 Y!コンテスト用作品、Ypediaをリリースしました。
- 2007/4/4 Y!コンテスト用作品、画像検索で神経衰弱をリリースしました。
- 2007/3/28 Y!コンテスト用作品、画像検索エンジン川の流れるようにをリリースしました。
そんな個人の事業化をお手伝いし、資本金50万円の超小型企業に1万円を設立出資した理由は何だろうか?
個人の創造力の強大化
最近顕著になってきたと感じるのが、Web2.0時代は個人の創造力の時代である、という点である。
矢野氏のトラフィック創造力は注目に値する。
サービス設計・プログラミングの目線が、「トラフィック志向」である。
トラフィックであるということはすなわち、ユーザー視点である。
ユーザー視点や顧客のニーズから離れ、機能や技術のみにフォーカスすると出来上がったものが、自分だけが面白いモノ、ということになりかねない。
たいていの場合、ユーザーも顧客も増えず、世に出ない。或いは、力でトラフィックを買う(リスティング広告を買う等)ことによりなんかする事もあるが、当然採算はキビシく、Googleが儲かるだけである。
トラフィック創造力、が全てである
矢野氏に限らず、最近webの中では、個人が元気である。
法人ではないので、「事業計画」もなければ、「必達目標」、もない。「下方修正の恐怖」もない。
「内部けん制」「稟議プロセス」とも無縁である。
理屈や収益期待ではない。
トラフィックを集めたい、この点に強い動機がある。
創りたいときに「発作的」につくる。思いついたらすぐ創り、数時間後に公開、という事も彼らにとっては普通である。
法人ベースでは、これは、「わりと」ありえないだろう。上場企業であれば、「ほぼ」ありえない。
そして多数の出来上がったものの中から、実際にユーザーに支持され、強いトラフィック創造力を持つモノが出現する。
中には広告収入、有料課金が可能だったり、法人需要があったりで、マネタイズ可能なものもある。
こうして出てきたモノは、ユーザー視点で面白く、マネタイズ可能である。
法人で企画会議を行い、予算承認を経て出てくるモノとは、一味違う面白さがあるのはそのためだろう。
そして今後ますます、この個人力へのシフト、というトレンドは加速していくと考える。来るべき「個人の時代」に備え、個人の活動を、従来の「未上場企業への株式投資」とは異なる仕組み、〜webサイトやサービスそのものを投資対象とする、トラフィックをベースに出資する、映画の製作委員会方式を活用する、など〜 でお手伝いする仕組みを、考案していく。
追記
あの「字幕.in」が会社になった--ネット上の字幕サービスをBtoBで提供CNETより