GMOVenturepartners今週2社目の上場承認。リアルワールドが待望のIPOへ


この協会から早くも上場会社が!

通算8社目のIPOとなるが、今回は7年越しだ。今までで最も長い。
以前、投資稼業は、辛抱と忍耐と信念だと書いた。
通常のファンドは5-10年がファンド期間であるから、7年というのは途方もなく長い時間に感じる。
VCファンドの最大の敵は、選定ミスや投資先の倒産でも何でもなく、実は満期なのである。どんなに有望な会社に投資しても、99%計画どおりにはいかない。相当に成功しても1年や2年のズレはざらであり、最初の事業とはまったく別の事をやりだす場合もある。数年のズレも普通だ。そうなるとファンド満期内にIPOはおろか、投資家が期待するような都合のよいExitなるものは、「ない」。ニュースになるのはごく一部の例外だ。
まあまあよい縁談話に飛びついてしまったりもする。
ある意味、待つ能力。バフェットでもないのに、満期のあるファンド運用者なのに、それでも待つ能力。
祝!

菊池社長について
不屈・執念の人だと思う。
一見、大柄でもないし、目からエネルギーが迸る、というタイプでもない。物静かな印象すらある。
しかし、しぶとい。物腰は柔らかいが、押しは強い。
それはこの7年を見てきて、本物だと思う。

リアルワールド社への投資
7年前。2007年3月に投資した。
まだ2006年を頂点としたネット上場ブームの余波が残る年明けだった。
創業間もないが大変な勢いのある会社で、スピード上場も視野にいれて成長に邁進していた。
ここでもGMO-PGとの提携は仕掛けた。

リアルワールドとGMO-PG、ポイント交換サービスを共同展開

しかしそう簡単にはいかなかった。
ネットの世界の流れの速さもあるし、その底流にある景気の変動ももろに受ける。
株価は景気を映す鏡である。ピンとこない人も多いだろうが、株価が下がると、不思議と発注が減る。IT投資予算も広告予算も締まる。ベンチャーの成長には逆風が吹き荒れる。
このチャートが物語るように、最初は徐々に、そして次第に明らかに天候が悪化してくる。



そして年が明けて2008年となるといよいよ雪嵐。悪夢の年となる。



リーマンショックの前後の風景は大変なものだった。
何が起こったかと言うと、
1 上場会社に投資する機関投資家ファンドが次々に解約売りで解散し、上場会社の株価が信じられないレベルにまで下がる。
2 それをみたVCが、新規の投資をしなくなる 追加投資もダウンラウンドになるので、かなり困難になる
3 それをみたVCのLPが資金を引き上げだし、VCの組成がほぼゼロになる
4 それをみたVCが新規投資をほぼしなくなる あるいは解散する。

2009年、2010年は冬景色となった。

この会社の挑戦
そのような中で脈々と事業を続けていた。
大きな幹に育っていた、「能動的に稼げる機会・メディアを提供」というコア。
これを、創業事業であったポイントメディアから、マイクロ型のクラウドソーシングに繋げてきた。
詳細は会社のエクイティストーリーに期待したいが、私は、
個人の、個人の意欲を糾合しているプラットフォームであること、だと思う。

Airbnb、Uber、世界で1兆円以上の価値をもつこれらの新しいプラットフォームに共通している要素・価値は何か。社会の「非稼動」に「ニーズ」を結びつけ、価値に転換する。

そして日本には、膨大な「非稼動」が眠っている。
働きたいけど主婦をやっている人。10分の暇な時間が一日10回ある人。それではパートも出来ない人。
それをインターネットが変えた。
分散した細切れな時間を、インターネットでつなげて、巨大な絵巻にする。時間とインターネットのマジックだ。
それがマイクロ型のクラウドソーシングだと思う。
このモデルを新たな成長エンジンにして、いよいよ資本市場に登場してくる。
資本市場という成長インフラを活用して、どう加速してくるか、楽しみである。

- | 15:33 | comments(0) | trackbacks(0)

GMOVenturepartners7社目となるIPO、ロックオンが上場承認



あれからもう7年になる。
最初にお会いしたのは2007年で岩田社長はたしか、29歳だったように思う。
若いが相当商売センスの高い関西系社長、という印象だった。
当時の私は、GMO-PGが上場2年目、GMOVenturepartnersを立ち上げて2年目だった。
決済面での提携がスタートだった。
GMO-PG、クレジットカード決済モジュールをロックオン「EC-CUBE」に標準搭載

そして翌年の2008年のファイナンスに参加させて頂いた。
「バルカン化」するか?SEM管理ツール市場でロックオンが戦略増資
今となってはちょっと恥ずかしいくらい時代が変化しているが、この業界の「地層」を見るようで面白いエントリーかもしれない。

しかし、それからいろいろあった。

激動だった
なんといっても、激戦区の広告とECの市場である。外部環境の変化スピードはすさまじく、数年単位でプレーヤーは入れ替わる。
ファイナンスシーンもベンチャーシーンも下降傾向にあった。
数ヵ月後には、リーマンショックが来た。
IPO市場は凍り付き、世のVCもほとんどいなくってしまった。
ベンチャーに投資しても回収しようがないよね、IPOはもうないし、日本には買い手なんていないし。という論調が主流だった。
それがやっと回復してくると、今後は大震災が来た。

それから3年、さらなる激動は続いたが、ついにここまで来た。

ロックオンのビジネスモデルについて
典型的なB2Bのストック&トランザクション型である。
広告、ECの分野において、地味ではある。
消費者には認知されないB2Bだし、常に、より大きな派手な競合がいる。それがGoogleだったりする。
しかし、そこには何百万という事業者の、目に見えないニーズが確実に存在していた。
この会社はしぶとく、着実にストックを積み上げきた。
世界的なプラットフォーマーがすべてのニーズを満たせるかと言えば、まったくそんな事はない、という好例だ。
株式会社ロックオン、企業間商取引(BtoB)向けECサイト構築パッケージ「EC-CUBE B2B」を2014年9月にリリース。導入・構築支援を行うパートナーを募集。
例えばこれもよい例だが、地味で気づかれないが、実は巨大な需要があるのだ。

私たちの事業支援のカタチ
EC領域のビジネスは当社グループ機能を使った事業支援が可能であり、主に決済面においてお手伝いを継続してきた。
問題を発明する、視点。
今ではその部門もそれなりの規模になっているようで、感慨深い。

GMOVenturepartnersとしては、フルスピード、ネクスト、アクセルマーク、Qihoo360、ベクトル、フリークアウトに続く、7社目のIPOとなるが、
大阪の投資先としての初のIPOになる。
EC領域としても初のIPOだ。
初期の投資ではレートステージでの出資を意図的にしていたが、そのときに同時に進めていたシードやシリーズA的な投資が、徐々にIPOとして実を結んできた。Qihoo360、フリークアウト、ロックオンがそうである。

しかし何よりも嬉しいのは、しっかり問題発明しビジネス面で貢献出来てきた事だ。

派手な時代にあってこそ、これからもしっかりビジネス面の貢献に拘った投資支援活動を継続していきたい。

上場 | 16:15 | comments(0) | trackbacks(0)

蔀謙二:訪れていない未来を創造する力

私事にて恐縮ながら、7月20日をもって、弊社 GMO VenturePartners株式会社を退職させて頂くことになりました。
本来であれば、お世話になりました皆様方に、直接、ご挨拶にお伺いすべきところですが、本文をもって挨拶にかえさせて頂ければ幸いです。

弊社に参画し、これまで約8年の間、100年に1度のリーマンショックや、本体の金融事業からの撤退、東北大震災と言った危機的状況、外部環境の激しい変化を体験しつつも、その中でも、訪れていない未来を創造する力を持っている皆様方と出会え、そして、その創業にかかる皆様へのご支援に携わさせて頂いたことは、一筋縄では何ともし難い状況への遭遇など、幾つもの実体験を通じ、血肉となる多くの学びを得ることができ?!感慨深くもあり、そして、深い感謝でいっぱいです。

重ねて、この仕事は、見たこともない景色を、だれよりも先に見れる環境にいることでもあり、そして、幾度となく、創業者と共に見た景色(夢)を、世の中の多くの方々の前に開示(スパーク)する瞬間(IPOとして)に遭遇することができたことに、改めて感謝いたします。このような環境を共に過ごせた皆様に改めてお礼を申し上げます。

これからも、お客様先や街角etc.。にてお目にかかることもあるか?!と思います。お気軽にお声をかけて頂ければ幸いです。
皆様の益々のご発展とご健勝をお祈りいたします。皆様、お世話になりました。
そして、今後ともよろしくお願いします。

ありがとうございます。
蔀(しとみ)謙二

- | 14:18 | comments(1) | trackbacks(0)

仏クリテオ、米ロケットF上場に続き本日フリークアウトが上場承認。DSP世界競争時代に日本も名乗りを挙げる。



本日、フリークアウトが上場承認された。
これまで開示していなったが、開示資料でGMOVenturePartnersは株主の一社である事が明らかになったので、ここまでの8年の経緯をはじめて書いてみる。
 
まだ「アドテク」という言葉をほとんど聞く事もない時代。GMOVenturePartnersを立ち上げたばかりの2006年頃の話。最初に本田さんにお会いした。
 
衝撃だった。
「ブレイナー」という会社を立ち上げたばかりだった。
「検索に連動した広告」を提供しているという。
日本のスタートアップが?
Googleアドワーズの法人ヘビーユーザーだった私は、Googleがどれだけの力を持っているかは日々感じていた。
最初は意味がわからなかった。
今では、あのアドカオスマップをみんな見ているからか、このスペースは多数のスタートアップが棲息できる場所なんだ、と思うのだろうが、2006年当時は違った。
ヤフーとGoogleの決着はまだ付いていなかったように思うが、この2社だけで昔の米ソのように、世界の至るところで争っていた、そんな時代風景だった。
そんなところに生存チャンス、ビジネスチャンスがあるのでしょうか?
普通に聞いた。
 
はっ?
あるもないも。これから大成長する広大なホワイトスペースですよね、

そんな反応だった。
本田さんにしか見えていない、広大なビジネスチャンスの平原が眼前に広がっているようだった。
実際、快進撃した。その後の日本のアドテク業界のキーマンとなるすごい人材が集まっていった。ホンダマフィア、といっていいだろう。
 
それから1年後だろうか、その会社は日本のヤフーの傘下に入った。
ヤフーがインタレストマッチを投入し、Googleに独自技術による最後の戦いを挑んでいた。
そこで、とある勉強会でまたお会いした。
 
最近のこの分野、どうなんでしょうか。
さすがにすでに巨人間でも勝負のついた分野だと思っていた。
 
はっ?
あるもないも、まだまだ広大なホワイトスペースですよね、なぜなら、、
前回よりもだいぶ詳しい、理に語った説明を、いかにもギークなアド・ハッカーエンジニア視点で表現してくれた。
 
あの時のホワイトボードに描かれた図。衝撃は今でも忘れない。
目から鱗が落ちた。
この分野こそ、これから最も面白い大成長分野なのだと理解した。
 
いろいろインスピレーション・アドバイスを頂いた。
そこから誕生したのが、本田さんの旧知のエンジニアである高田さんが参画するKauliだった。GMOVenturePartnersは創業投資し必死に応援した。最初のサーバーはセルリアンの現GMOペパボの方々の真後ろに無理に置かせて頂いた。もちろん自作サーバー。
後に日本最大の専業SSPになる。
以来、私はアドテクというスペースにすっかり熱中していた。
 
そして本田さんは再度起業、今度はDSPを創るという。
日本では成功しない。米国ではRTB、SSP、DSPが当たり前になっていたが、日本の広告業界は冷ややかだった。
しかし本田さんにも、Kauliの高田さんにも確信があるように見えた。
必ずそうなる。
2011年の1月、2社が日本で最初のRTBベースのDPS、SSPとなった。
Techcrunch記事 リンク:http://jp.techcrunch.com/2011/01/12/jp20110112freakout-goes-into-new-ad-market/
Kauli社発表リリース リンク:https://kau.li/docs/Kauli_PressRelease_2011_0113_RTBAd.pdf
 
RTBは、始めてみれば見事に成立した。
その後の展開はご存知のとおり。なだれを打って参入が始まった。
1年足らずで、日本版のカオスマップ、が出来上がった。
まさに、業態・市場を創出した。
微力ながらGMOインターネットグループも、プラットフォームを活用する形でご支援してきた。
あの二社、あの二人があの時始めていなければ、日本は今日のようになっていなかっただろう、とは言いすぎかもしれないが、起爆剤となった事は確かだろう。
幕末で言えば、幕府絶対優位の状況から維新の政局が大回転を始めるきっかけとなった、高杉晋作の「功山寺の挙兵」を彷彿とさせる。
 
いろいろご縁があり、2012年2月のシリーズA的(厳密にはそう呼称されないが)なラウンドで参加させて頂いた。「今度はアドテクノロジーのFreakOutが3.5億円を調達」
リンク:http://jp.techcrunch.com/2012/02/22/jp20120221freakout-350million-yen/
 
調達は当時としては大きい。今の10億円の感覚だろうか。Valuationとしても開始1年も経っていないステージのそれとしては破格に思われたようだった。
確かに同時期にそれなりの規模でそれなりに驚かれるValuationで大手に買収されたアドテクスタートアップのそれよりも高いレンジだったが、
それまでの数年で様々な場で氏の開発手腕・ビジネス手腕を目の当たりにしていた私は十分行けると思っていた。
何よりも、この会社は市場を創っているのだ。それも1000億円規模の市場だ。そんなスタートアップがどれほどあるだろうか。
「短期売却ではなく、時価総額1000億円を目指せる目線の起業家に投資する。」GMOVenturePartnersの投資テーマに合致した。
1億円以上の投資はほとんどしないGMOVenturePartnersだが、過去最大金額となった1.5億円の投資を断行した。
 
その後の快進撃は目を見はるものがあった。
それから1年後にはYJから3倍程のValuation評価を頂き5億円調達することになり(リンク:http://jp.techcrunch.com/2013/03/07/jp20130307freakout-500million-yen-series-b-round/)、
そしてさらに1年後に今回の上場承認となった。
 
この会社の強みは、日本で最初かつ専業最大手DSPである事、ではない。
それはこの会社の今の姿の一断面に過ぎない。
そうではなくて、市場創造出来る能力。後追いではなく広告技術への本質的理解力、本来は、未来はこうなるべきだというビジョン、
それを物理レイヤからゼロから経営者自らが開発・実装出来る能力。
さらに文句なく最強クラスの強力な経営チーム。日本のスタートアップには珍しいレベルだ。二大巨人であるヤフーとGoogleからきっちりトップクラスの幹部や若手の天才エースを集めている。
どうして本田さんはこれほどまでに人を集められるのか。頭を抱えるレベルなのだ。
流れが恐ろしく速いこの業界にあって5年後に何が主力になっているかはわからないが、常に広告技術の先端にいるだろう。
 
そんな会社が設立から3年程で上場する事を日本人としても誇りに思う。
このようなスタートアップ、経営チームを、日本の資本市場は応援して頂きたい。
これから、より大きな本命の広告市場や、世界への挑戦がこの会社を待ち受けている。
紆余曲折は、しない会社はない。
四半期業績に現れる表面的な数字には、一番重要なアセットである人材、が表現されない。経営チームが見据えている遠大なビジョンを吟味し、応援して頂きたい。

上場 | 15:50 | comments(0) | trackbacks(0)

資金が必要なわけではなかった。

GMOVenturePartnersの新ファンドは12億円という小規模なファンドのため、決して大きな金額を出資するわけではない。

そのため多くの場合、他に当社の数倍出資する複数の投資家の方との共同投資となる場合が多い。つまり、我々がいなくても資金は集まっている事がほとんどだ。
資金の上では必要ないのである。
 
それではなぜ当ファンドがあえて選ばれるか、といえば、おそらく投資後の事業支援力を評価頂いているからだと思う。
どの投資家も言うことかもしれないが、当社の場合、上記の事情により、本当にそうしなければ選ばれないから真剣である。

実際、成り立ちがGMOインターネットグループ各社が出資しているファンドだけに、支援の形は様々なケースがあるが、決済レイヤ、広告レイヤ、ネットインフラレイヤ、の3層において最速成長支援が可能だ。
 
最近ではランサーズKAIZENラクスル等、プラットフォーム型のビジネスモデルに投資を集中している。
分野としてはB2Bのインターネットサービスが多いが、EC系サービスや広告分野も得意としている。
決済に特化したファンドも投資が順調だ。
 
いずれの投資先も数億円から十数億円調達しているが、資金を集めれば集める程、ボトルネックになるものが出てくる。
人や事業加速推進機能、そして決定的なアイディア、等である。
最も希少な経営リソースだ。
 
困難だし、おこがましいとも思われるだろうが、それでもなんとしても提供してきたい。
 
グロースハックという概念は、何も新しいものではく、これまで様々な形をとってきたマーケティング行為をある角度で再構成した行為、の総称だと捉えている。
注目されているのは、業績や企業価値、株主価値にダイレクトに影響するようになってきているからだろう。爆発的な成長のエンジンになり、巨大な差異になる。
それでいて、個々の行為はなかなか経営や投資家の目に見えないので、なかなか優先度設定が難しい。
 
だからこそ強烈に重要だと思っている。
これまでもベクトルと戦略PRを仕掛けたり、ゼロベースと共同でUXコンサルティングを提供してきたり、設立以来8年間取り組んできた。
Andreessen Horowitzよりも前からやっているのだ。

今後も、今回の勉強会だけではなく、実際に人を供給したり、事業提携を促進したり、現実の加速支援を行っていきたい。
 
また、そのような支援活動に興味のある馬力あふれる方々は、是非メンバーのFBにでもコンタクト頂ければ幸いである。
 
蛇足ながら、シンガポールを起点に見ていると、いかに東南アジア市場が、中国、インド、韓国勢に刈り取られて行っているか を目の当たりにしている。
日本市場を早々に刈り取り、早急に海外展開に着手頂けるように、頭をふりしぼっていきたい。
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